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noside
元々、太陽と六美はそこまで近しいわけでもなかった
近所に住む知り合い。そんな程度の仲
そんな関係が変わったのは、六美にとってあらゆる転機といえる事件が原因である
凶一郎が変わってしまったのもこの件が原因であるため
この件以降、零月は夜桜家を取り巻く「影」を徹底的に調べるようにもなった
その事件により、六美の髪は一房だけ白く色が抜け落ちてしまった
いくら染めようと、色付かない「呪い」のような白髪
それは、様々な視線を引き寄せた
そう、幼稚な「悪意」にまみれた視線も
六美は髪のことでいじめられた事がある
無理に切られそうになったところを、太陽がなんて事ないように助けた
それ以降、六美と太陽は仲を深めるようになっていったのだ
堅井「隙あり!」ズボッ
六美「あっ!」
暫くなぞの攻防を続けた六美と堅井だったが、堅井がウィッグを取り上げたことで終わった
堅井は部屋に戻ったが、もう遅い
堅井「!?なんで…!?」
金庫はとっくに空になっていた
**
――翌日
堅井は学校へ行くと、私物を返されたことを生徒達に感謝されていた
まぁ、本人はしていないので困惑ものだが
太陽「あの、堅井先生」
堅井「え、あぁ、何ですか?」
太陽「その……少し疲れてるんじゃないですか?少し保健室に行って休んだら良いんじゃないかな、と…」
そして太陽は零月に言われた通り、堅井が保健室に行くように促していた
堅井「……そうね、そうするわ」
それが零月の張った罠であるなど思いもせず
堅井は頷いてしまった
―――――――嬉しそうに笑う太陽と六美を一つのカメラが映し
そのカメラを、一羽の鴉が捉えていた
**
場所は変わり保健室
そこでは白衣に身を包んだ零月が一人、一見愉快そうに笑っていた
そう、例えるならば……鬼を殺す時の胡蝶しのぶのような笑みである←
零月はイラつきながら笑うという器用なことをしてみせながら
己の「獲物」がやってくるのを待っている
『教えて上げるよ
校則や、不文律のマナーだけじゃない
常識ってものを
そして―――それに反した時、どうなる可能性があるのかを―』
――――貴女の体に、頭に、直接……ね
大丈夫
身体から「悪いもの」を取り除くだけだよ
キラリと光る冷たい無機質な銀は、鋭く輝いていた
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三月の専属ストーカーなつめみく - 長女だからか分からんけど零ついてるのいいですね() (10月25日 9時) (レス) @page11 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
零月 - テナーさん» ありがとうございます! (2021年10月10日 10時) (レス) id: e13128236a (このIDを非表示/違反報告)
テナー - めっちゃ好きです!更新頑張ってください!! (2021年10月9日 16時) (レス) @page47 id: b666961d78 (このIDを非表示/違反報告)
零月 - スピカさん» ありがとうございます。更新がんばりますね (2021年10月5日 19時) (レス) id: e13128236a (このIDを非表示/違反報告)
スピカ(プロフ) - 控えめにいって最高です!これからもおうえんしてます! (2021年10月4日 21時) (レス) @page46 id: f5f59843ea (このIDを非表示/違反報告)
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