夜桜を照らす月光

・・・・・ ページ18

零月side

うーん、六美も驚いてるねぇ

まぁ仕方ないかもだけど



太陽はちゃんと気付けたね。自分が六美を仕留める爆弾だってこと


うんうん、上出来だ




凶一郎「たま屋の小型爆弾の「線香花火」は極小軽量で超高火力。だがそのコスパの良さゆえの弱点が二つある

標的の体温で充電するため起動に数時間かかるのと、糸一本で一時停止できる構造のシンプルさ」

『良く気付けたね。百点には届かないけど、文句なしに及第点だ』



とはいえ、流石にそんなに甘くないからねぇこの業界


『爆弾の一時停止はさっき私がやっといたよ』ﾋﾗﾋﾗ


手袋を着けた左手から一本だけ伸びる、私の鋼蜘蛛


凶一郎のものよりも細く強度は少し下がるがしなやかだ

那谷蜘蛛山には私も行ったよ。アレを見て便利だと思ってたんだ


主要武器ではないけど、まぁたまに使うね




凶一郎「任務達成の褒美に一つ教えてやろう。自分さえも疑うべきこの世界でも、唯一信じられるものがある

それが俺たち家族だ

俺はお前を殺したいが、この身に代えても決して死なせない」


ふふ、大丈夫だよ太陽

凶一郎もね、君の事、少しずつ認めてきてるんだ


凶一郎「だから心置きなく死ぬ気で努力しろ

俺達の愛する六美のためにも」



凶一郎と太陽は、似てるんだよね

大事なものを失いたくない、守りたい

そして、六美を愛してるってとこ


でも、凶一郎は失わなかった

太陽は失った


わりと、大きな違いだよねぇ……



『凶一郎、引き上げてあげなさい。つい(・・)、うっかり(・・・・)、落としちゃわないようにね？』

凶一郎「……ﾁｯ…」

こら凶一郎、またお話がしたいのかな？＾＾←




…………さて、と……


六美「その爆弾はどうするの？」

『どうするも何も…決まってるじゃない？』

六美「後その手に持ってる爆弾らしき二つは何？」←


そんなの決まってるでしょ？



凶一郎「あぁ、勿論拾ったものや…」

『壊れちゃってるものは…』

六美(………………あっ！)



凶一郎「持ち主に返さないとな」ﾋｭｯ

『直して返してあげないとね』ﾌﾞﾝｯ





たま屋「え？」


ボッゴォォォンッ！！



六美(……零月お姉ちゃんの教えその２…落とし物()は損傷部分を直して相手に返せ……御愁傷様です)

太陽「え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛！？」



『あれ、この状況でもつぶやくんだね』

凶一郎「中毒は怖いなー」


炎上なうってさては余裕だろ。いつもの事いつもの事←

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