誘拐事件 ３ ページ6
「眠れ。麻痺しろ。」
次の日、左近が入ってきていきなり個性を使われた。
一応対抗したけれど…結局かかってしまった…。
どうやら、目と目を合わせて声をかけることで催眠をかける個性らしい…。
俺達はまとめて台車に乗せられて運ばれていたようだ…。
「さあさあ紳士淑女の皆皆様！この度は我々サーカスの地下オークションにご来場いただき、誠にありがとうございます！早速今夜の目玉商品！無個性の兄と噂になっていた龍の個性を持つ弟の双子でございます！」
俺達は仮面をつけた右近の触手により、大勢の前に出される。
「弟は兄を見捨てられず我々に捕まりました。ああ、美しき兄弟愛！兄は弟に対する首輪として使えるでしょう！単体での販売は行いません！二人の兄弟愛はなかなか見ものですよ♪…では、お客様のご要望に答え、弟の布を外し瞳をお見せしましょう！」
「…A。」
「兄さん。おねがい。」
兄さんと小声でやり取りし、布を取られた瞬間…
「さあ、ご覧あ
"ドタッ"
瞳の力を使用して会場全体の客、隣にいた右近と左近を麻痺させる。
「…A行くよ。」
兄さんが頑張って俺を台車の元に引きずり、上に乗せる。
「それ！」
台車を押しステージへ向かうための坂を子供二人分の重さを使って下る。
俺の麻痺の程度からして、まだ会場にいたやつらは動けないはず…。
"バタバタバタ"
会場の騒ぎが聞こえたのか、足音が聞こえる…。
「A。かくれるよ。」
兄さんが台車を押し、箱の中へと俺を押し込む。
ぎりぎり兄さんも入るくらいか…。
「えいっ！」
兄さんが台車をどこかにやってから、箱に入り、蓋を閉めた。手には何か袋を持っている。
「もっと下に行くように押してきたから、とりあえずだまってここにかくれてよう。」
外は慌ただしい人の気配で満ちている。
兄さんと共に息を潜めて暫くたって、俺の麻痺が解けてきた。
「兄さん。もう行ける。」
「…わかった。はこに入るまえに僕たちが乗ってたのとは、ちがうやつみつけたから、乗ろう。」
「うん。」
兄さんがまず顔を出して外へ出る。次に俺が出て、近くにあった台車に乗る。兄さんが手すりのほう。俺が後ろ。
「じゃあ、A。けって！」
兄さんの声に従って右足で蹴る。
台車は凄いスピードで走っていく。
「おい！見つけたぞ！」
「それ！」
"ビシャッ"
従業員達に見つかったけれど、兄さんが袋からカラーボールを取り出して顔面にぶつけて足止めをしてる内に走り去る。
袋の中身それだったんだ…。
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皐月(プロフ) - 刻ノ瀬月乃さん» ありがとうございます。頑張ります。更新はもうちょっと待ってください。 (2019年4月24日 7時) (
レス) id: 4b5b414424 (このIDを非表示/違反報告)
刻ノ瀬月乃(プロフ) - 凄く面白いです！続きが気になります。応援してます！！ (2019年4月24日 0時) (レス) id: 05191dc1a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：皐月 | 作成日時：2019年3月10日 13時
