誘拐事件 ２ ページ5
「…A！」
「に…い…さん。」
兄さんの声で目覚める。触手に捕まったあと一応対抗したことは覚えてるけど…。
「今…どんなことになってるの？」
「僕にもよくわからないんだ…。男の人に捕まってから、すぐに気絶しちゃって…。Aもいつもなら気絶しないのに、気絶しちゃったから…。」
「じゃあ、個性だったってこと？」
「たぶん…。僕らを捕まえた男の人のほかにも人がいたから…。」
俺は、薬は効かないし、体が丈夫にできてるから気絶もなかなかしない。ただ、個性だけは一度かからないと対抗できない…。
"ガチャッ"
「あ、目覚めたんだ〜！」
「めんどくせぇ。また眠らすか？」
ドアが開いて、二人の男が入ってくる。
金髪に黒い瞳のチャラそうな触手の生えた男と、黒髪に黒い瞳のピアスをつけた仏頂面の男だ。
二人とも顔がそっくりだ。
「おはよう。」
「「…。」」
俺らは挨拶を返さず、男を睨み付ける。兄さんは、静かに俺の前に出て庇ってくれる。
「さて、君達の今の状態について説明してあげるよ♪オレは右近。こいつは左近だよ♪」
金髪の男…右近が笑顔で話しかけてくる。
「オレ達は人身売買組織[サーカス]。人のオークションとか臓器売買とか色々？…で、君たちは今からオークションにかけられるんだよ。前々から珍しい個性を持ってる子供がいるって聞いててね？君…Aっていったっけ？はオレ達のリストに入ってたんだよ♪本当は、あのハムスターも欲しかったんだけどなぁ…。」
右近という男が顔をしかめる。
「ほんとーにめんどくさいことしてくれるよねぇ？」
「「ぐ…う……。」」
右近の触手で首が締まる…。
「ま、安心してよ。君達は一緒に売ってあげるよ。オレと左近も双子だからさ。離れるのが辛いのは知ってるんだぁ。あ、でも…わざわざ離すのも良いかもね♪」
右近が嬉しそうに話す。
「おい。右近。大事な商品に傷がついたらめんどいだろうが。離せ。」
「は〜い♪」
"ドサッ"
「「ケホッ…。」」
右近がめんどくさそうな左近の言葉で俺達をいきなり落とす。
「ま、そういうことで。…ちなみに、爆弾しかけてあるから、壁壊して逃げようなんて考えないでね？バイバーイ♪」
右近と左近が出ていく…。
「はあ…大丈夫？A？」
「大丈夫…。ごめん。俺がここ壊せたら良いんだけど…。」
「爆弾があるんじゃ仕方ないよ…。ありがとう。A。」
兄さんが優しく撫でてくれる…。
早く此処から逃げ出さないと……。
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皐月(プロフ) - 刻ノ瀬月乃さん» ありがとうございます。頑張ります。更新はもうちょっと待ってください。 (2019年4月24日 7時) (
レス) id: 4b5b414424 (このIDを非表示/違反報告)
刻ノ瀬月乃(プロフ) - 凄く面白いです！続きが気になります。応援してます！！ (2019年4月24日 0時) (レス) id: 05191dc1a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：皐月 | 作成日時：2019年3月10日 13時
