誘拐事件 11 ページ14
「と、とりあえず、二人は入院だ。病室は用意できてるから移動してくれ。」
マイクが話を切り替える。看護師が出てくると、二人がしがみついてくる。
「俺達はこの人と離れない。」
「えぇー…。」
「おい…。」
ここまでなつかれるとは…。
「俺はまだ狙われるかもしれないから、ヒーローとしてそばにいればいい。…いて、ください。」
二人がさらにしがみついてくる。
「…仕方ない。俺も居てもいいですか？」
「ええ。別にいいですよ。」
看護師がOKを出したため、俺は二人と病院の個室に泊まった。
Aside
咄嗟に兄さんを庇った…。
破片が刺さっているところが痛い…。
舐めるように広がっていく火が熱い…苦しい…。
「にい…さん……へいき？」
兄さんが目を開ける。
「A！ゲホッゴホッ」
兄さんの声が変だ…。
「ぐあっ！」
「A！」
熱いものが背中に落ちてきたみたいだ。
兄さんを守らなきゃ…。
「にいさん…。にげて……。もうすこしでそとだったから……。はやく……。」
「…わがっだ！」
兄さんが涙目になりながらも、俺の言葉に従って走っていってくれる。
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い…！
苦しい苦しい苦しい苦しい…！
熱さに苦しさに耐えて、兄さんの元へ帰ることだけを考える。
少しずつ熱さがおさまってきて、動こうとする。
出口へ向かいながら、心の中で兄さんを呼ぶ。
"ドサッ"
瓦礫を退かすと、兄さんが見えた…。
それからは意識がなかった…。
俺は夢を見た。
俺と同じ力を持つ四龍の記憶…。
兄さんは、多分緋龍であり、仲間だったハクだ…。
俺も、四龍のように兄さんの助けになりたい…！
「んん…。兄さん！」
勢いよく抱きつく。倒れそうになったけれど、男の人が支えてくれた。
「…ありがとう。」
お礼を言ったとき…
「ヘイヘイ！目は覚めたか！」
金髪の人が入ってきた。
思わず相澤さんにしがみつく。
「おい。びびってるぞ。うるさい。」
「わ、わるかったから、そんなに怯えないでくれよ…。」
金髪の人がしょぼんとしてる。
「とりあえず、その子達は入院だ。親はまだ見つかってねぇよ。個性も名前もわかんねぇから探しようがなかった。」
音量が下がった。
「個性はわかったぞ。弟は緑谷A。個性は龍。兄は緑谷いずく。個性は…なんだ？」
「兄さんは無個性。病院で、診断された。」
[ぼくは、Aにたいするひとじちとしてゆうかいされました。]
重い雰囲気になった…。
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皐月(プロフ) - 刻ノ瀬月乃さん» ありがとうございます。頑張ります。更新はもうちょっと待ってください。 (2019年4月24日 7時) (
レス) id: 4b5b414424 (このIDを非表示/違反報告)
刻ノ瀬月乃(プロフ) - 凄く面白いです！続きが気になります。応援してます！！ (2019年4月24日 0時) (レス) id: 05191dc1a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：皐月 | 作成日時：2019年3月10日 13時
