44「“きす”しよう！」 ページ4
マルコside
その日は、Aのある一言で始まった。
ちょうど朝食の時間帯。
貴「マルコさーん！“きす”ってなに−！」
そんな時に、バンッと食堂の扉を勢い良く開けて、大声でそう叫んだA。
いっきに凍りつく食堂。
貴「“きす”ってなに？」
おれの元へ来て、顔を覗き込みながら再度尋ねられた。
思わず、飲もうとしていたコーヒーを吹き出すところだった。
マ「…おれに聞くなよい」
貴「どうして？」
マ「どうしてもだ」
誰だ、こいつに“キス”なんて単語を教えたやつは。
おれの腕にしがみついて揺さぶってくるAを無視してコーヒーを飲む。
揺れるから飲みづらい。
イ「A。“キス”が何なのか教えてやろうか」
隣に座るイゾウが、ニヤニヤと笑いかける。
貴「教えてくれるの？」
イ「あぁ」
マ「A、止めとけ」
Aの腰に腕を回して、グイッと自分の方へ引き寄せる。
イ「“キス”って言うのはな、好きな人にするもんだ」
貴「好きな人…」
そんな事もお構いなしに、イゾウは続ける。
マ「聞かなくていいよい」
イゾウのこの顔は完全にAをからかっている。
Aに変なことを吹き込むと、ろくな事がない。
主におれが。
貴「好きな人同士がするの？」
イ「あぁ」
そう答えると、何かを考え出したA。
嫌な予感がする。
非常に嫌な予感がする。
貴「マルコさん！“きす”しよう！」
またもや大声で叫ぶA。
再び凍りつく食堂。
コーヒーを吹き出すおれ。
爆笑するイゾウ。
ほらみろ、ろくな事がない。
貴「マルコさん、“きす”しようよ〜」
マ「しねぇよい！」
貴「なんでぇ〜」
あれから、しつこくおれにキスをせがむA。
背中にしがみついて、書類をやっているおれに構わず体を揺らしてくる。
貴「マルコさ〜ん」
マ「だからしねぇって言ってんだろい!!いい加減にしろ!!」
バッとAを引き剥がした。
そしてその顔を見て、やってしまったと後悔する。
貴「ごめんなさっ…」
Aは驚いたように目を開きこれでもかと涙を溜めて、プルプルと震えていた。
あぁ、やってしまった。
貴「あぅ…ﾋｯ、お、お父さぁああぁあぁん!!!!」
羽を使い一瞬のうちに消えてしまったAと、部屋に取り残されるおれ。
追いかけるなんて考えは出てこず、ただただおれの頭を埋め尽くすのは。
「末っ子(妹)を泣かせてしまった」
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アニメラブ(プロフ) - マルコサイコー (2017年3月23日 23時) (
レス) id: 9491c8ca0e (このIDを非表示/違反報告)
練乳 - 見た目は大人でも中身は幼いもんねw (2017年3月12日 23時) (レス) id: 99256091e7 (このIDを非表示/違反報告)
かすみ(プロフ) - めちゃくちゃ主人公可愛いです！！癒しオーラ半端ない (2017年3月1日 6時) (レス) id: 617b268523 (このIDを非表示/違反報告)
サルクス - 中身は44歳に笑いましたwとても楽しいです！マルコさん優しいぃぃ！！これからも楽しみにしています！応援しています！ (2017年2月12日 23時) (レス) id: bfb93ef8fc (このIDを非表示/違反報告)
チョロミー - 毎回更新楽しみに待っています！何回も読み返してます！その度にキュンキュンします！ (2017年1月29日 0時) (レス) id: 9402e3d5d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：「ぱずる」 | 作成日時：2017年1月9日 13時
