56「マルコさんがいる」 ページ16
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マ「島が見えたよい」
いつもより早い時間、マルコさんのその声で目を覚ました。
マ「出かけるんなら速く起きろよい」
そう言って出て行こうとするマルコさんの背中に私は飛び乗る。
貴「眠い」
マ「起きろ」
けれどマルコさんは優しいから、背中の私が落ちないように太股の裏を支えてくれる。
貴「私はマルコさん無しじゃ生きていけない」
マ「そりゃ迷惑な話だねい」
貴「シャボン玉！」
マルコさんと朝食を食べ、甲板に出てみると遠くからでもわかるように島からはシャボン玉が飛んでいた。
大きな木から出てくるそれは、しばらく空へ上がると割れて消えてしまう。
マ「シャボンディ諸島だよい」
貴「綺麗！」
マ「揺らすんじゃねぇ」
シャボン玉を指さしながらマルコさんを揺すると、「落ちつけ」と頭をなでられた。
あっと言う間に島の港に着いた船。
マ「各自、自分の仕事を忘れるんじゃねぇよい！」
甲板では、これからのことをマルコさんが的確に指示を出す。
私はそれを本人の背中から聞く。
マ「それと、お前はおれと行動だよい」
私に視線が向けられた。
貴「迷子にならないでね」
マ「こっちの台詞だよい」
島に上陸するとき、私は大きなコートを着せられた。
これは、私が妖精族だとバレないため。
妖精族がいたらパニックになるし、人攫いにも狙われるというお父さん達の考え。
でも、手配書があるから意味がないんじゃないかな。
貴「マルコさん、どこに行くの？」
マ「そうだねい…」
迷子にならないように、しっかりと手を繋いで私達はとりあえず歩き出す。
シャボン玉を持っている人や、楽しそうなカップルとすれ違う。
貴「あ」
キョロキョロと辺りを見回していた私の目に入ったのは果物屋さんのパイナップル。
貴「見て、マルコさん」
マルコさんを果物屋さんに引っ張っていき、そのパイナップルをマルコさんに突き出す。
貴「ほら、マルコさんがいる」
ゴンと私の頭から鈍い音が響いた。
貴「女の子殴っちゃダメだよ！」
マ「おれはパイナップルじゃねぇよい！」
今度は頬を引っ張られる。
暴力反対。
貴「マルコはん、買っへ」
マ「嫌だよい」
貴「けひ」
マ「…」
マルコさんは私に甘いからお願いすると大抵何でもしてくれる。
ほら、頬を引っ張っていた手を離してパイナップルを買ってくれた。
貴「ありがとう」
マ「次はないよい」
今回は私の作戦勝ち。
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アニメラブ(プロフ) - マルコサイコー (2017年3月23日 23時) (
レス) id: 9491c8ca0e (このIDを非表示/違反報告)
練乳 - 見た目は大人でも中身は幼いもんねw (2017年3月12日 23時) (レス) id: 99256091e7 (このIDを非表示/違反報告)
かすみ(プロフ) - めちゃくちゃ主人公可愛いです！！癒しオーラ半端ない (2017年3月1日 6時) (レス) id: 617b268523 (このIDを非表示/違反報告)
サルクス - 中身は44歳に笑いましたwとても楽しいです！マルコさん優しいぃぃ！！これからも楽しみにしています！応援しています！ (2017年2月12日 23時) (レス) id: bfb93ef8fc (このIDを非表示/違反報告)
チョロミー - 毎回更新楽しみに待っています！何回も読み返してます！その度にキュンキュンします！ (2017年1月29日 0時) (レス) id: 9402e3d5d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：「ぱずる」 | 作成日時：2017年1月9日 13時
