21.あの子のために ページ22
《Sanji side》
目が覚めたとき、何故か微笑ましそうなロビンちゃんが見えた。
ロビンちゃんがいる事に違和感を覚え、辺りを見回して、あぁ昨日キッチンで寝たのだと思い出し、視線を下げて気がついた。
おれはAちゃんと。
途端に顔が赤くなる。
ロビンちゃんとは言え、一緒に寝ているところを見られてしまった。
なんとか言い訳を探していると、
「大丈夫よ。誰にも言わないわ」
と、そう言って優しく微笑んだ。
そんな顔も素敵だ、じゃなくて。
ロビンちゃんはもう少し寝るらしく、女部屋に戻っていったが、恥ずかしいところを見られてしまった。
「さてと…」
いつまでも恥ずかしさに頭を抱えているわけにもいかない。
飯にうるさい船長のために、おれも朝ご飯の準備をしなくてはいけない。
タバコをとりだてして火をつける。
チラリとソファを見れば、昨日おれがかけてやったジャケットに包まれて眠るAちゃんがいた。
「…綺麗だな」
思わずそう口に出ていた。
白い肌に伏せられた長い睫毛。
綺麗に光を反射する細い髪の毛。
細く長い、スラリとした手足。
まるで人形が寝ているようだ。
異世界から来たというのが、改めてよくわかるその光景。
「Aちゃん、何が好きかなぁ…」
あれだけ細いのだ。
きっと前の世界ではあまり食べることが出来たかったのだろう。
もし栄養不足にでもなってしまえば、“一流コック”の名が廃る。
それ以前に女の子一人満足させられねぇようなら、料理人失格だ。
よし、今日もAちゃんが感動するような料理を作ってやろうではないか。
いつも以上に張り切ったおれは、シャツの袖を捲り上げ、冷蔵庫を開けた。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 334人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「トリップ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぷりん(プロフ) - 「ぱずる」さん» そうなんですね！何も知らずごめんなさい😿とても面白い作品でお気に入りです！更新頑張ってください応援してます✊🏻🤍 (2022年8月24日 0時) (
レス) id: 30c6d797b4 (このIDを非表示/違反報告)
「ぱずる」(プロフ) - ぷりんさん» 誤解させてしまってすみません！今この作品書き直しの途中でして、まだ14話からは更新できてない状況です。続編はまだ手をつけてないのでそのままなんです。誤解させてすみません点 (2022年8月23日 21時) (レス) id: 6f1abe1470 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりん(プロフ) - 13話から話が飛んでいて次の続編へ行ってしまうのですが14話からは作者様が消されてしまったのでしょうか😿 (2022年8月23日 21時) (レス) id: 30c6d797b4 (このIDを非表示/違反報告)
シェイガー(プロフ) - こんな現象が本当にあったらいいのにな〜笑笑 (2019年9月2日 3時) (レス) id: 524b76be29 (このIDを非表示/違反報告)
むちゅ - 学校も楽しくないし行きたくない、アニメを見てた方が、本当に幸せだと感じる。そう思うのは私だけですかね… (2017年1月9日 22時) (レス) id: 81902d63ea (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：「ぱずる」 | 作成日時：2016年8月31日 23時
