解剖医は死にたがりII【ONE PIECE】 (ページ8)

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手首の瘡蓋　8本ページ8

「えっ、と…これは？」

状況がうまく飲み込めず、Aはサンジの顔を見上げた。

「今日は君が仲間になってちょうど一年目なんだ」

「本当は誕生日にお祝いしたかったんだけど、Aの生まれた日がわからないから」

「だから、海賊としてのAが生まれた今日が、お前の誕生日だ！」

サンジが、ナミが、チョッパーが、とても楽しそうに笑ってそう言った。

彼らだけでなく、他のみんなもニコニコと笑っていて。

その顔を見渡して、Aの瞳が揺れた。

「あ…えっ、と」

戸惑っていた。

誕生日だなんて、自分とは無縁のものだった。

「死」を望まれている私に、祝われるべき「生」などなくて。

なぜ自分の誕生日を祝われているのかがわからなかった。

「これは、生まれてきた事を祝うためのものでしょう？」

死ぬために生まれてきた私が、果たして生まれてきた事を祝われてもいいのだろうか。

また一つ歳をとることを許されるのだろうか。

「私は、本当に、これから先もっ…生きてて、いいの…っ？」

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