解剖医は死にたがりII【ONE PIECE】 (ページ7)

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手首の瘡蓋　7本ページ7

サンジにエスコートされ、甲板に足をつけたAは、ふとその違和感に辺りを見渡した。

「…なんだか、静かだね」

いつも聞こえてくる皆んなの笑い声が聞こえなかった。

太陽はもう水平線に半分ほど飲み込まれていて、隣にいるはずのサンジの輪郭さえ曖昧で。

「さ、キッチンで座って、ゆっくりしよう」

「うん」

彼がどんな表情をしているかさえ見えない。

気がつけば、後ろにいたはずのウソップも居ない。

静かで曖昧な世界に、まるで2人きりになってしまったようだった。

小窓から見えるキッチンに、灯りはついておらず、果たして他の仲間はどこに行ってしまったのだろうか。

サンジが扉を開ける。

自身は扉の前で止まり、そっとAの背中を押して彼女を中へ誘導する。

その時。

暗闇だった室内に突然明かりが灯る。

「「「ハッピーバースデー！A！」」」

破裂音の後に、Aの頭に降るからふるカラフルなテープと紙吹雪。

目の前には先ほどまでいないと思っていた仲間達と、豪華な食事。

その真ん中には真っ白な大きなケーキに、「happy birth day」と書かれたチョコレートのプレートが乗っていた。

「たん、じょうび…？」

その文字を見つめ、Aは数回瞬きした。

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