解剖医は死にたがりII【ONE PIECE】 (ページ5)

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手首の瘡蓋　5本ページ5

「…」

「…」

ネクタイピンを見つめるA。

そんなAとネクタイピンへ交互に視線を移すウソップ。

なんとなく、彼女の気持ちを察した。

「サンジのやつにプレゼントすればいいじゃねか」

「…迷惑じゃないかな」

なんとなく彼女が躊躇している気がして、そう言葉をかけてみると、帰ってきたのはそんな杞憂。

迷惑だって？

あの男がか？

「お前も変な所で心配性だなぁ。サンジの奴がお前からプレゼントを迷惑がるわけないだろ？」

「きっとそこら辺の落ち葉でも喜ぶぞ」と付け加えれば、彼女は口元に手を当てて小さく笑った。

「いひひ、確かにそうかも」

そう言うと、彼女はベンチから立ち上がり、「じゃあちょっと行ってくる」と言って仕立屋に向かった。

「今日はあいつの誕生日なんだけどなぁ」

頭の後ろを掻きながらそんなことを呟くも、小さな紙袋を大切そうに見つめながら店から出てきたAを見ると、そう思うのもなんだかバカらしくなった。

誕生日はなにも、「プレゼントを貰う日」ではない。

その主役が喜ぶ事なら、幸せを感じれる事なら、なんだってやっていい、そんな日なのだから。

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