7.受け入れられない ページ8
「まぁ待てよい。それだけじゃお前が納得しねぇのはわかってるよい」
私が向かっていた扉の前に立ち、その進路を塞ぐマルコさん。
私はとても焦っていた。
あまり遅いと船員たちは眠ってしまうし、夜の仕事を始めてしまう。
そうなれば今晩の相手を見つけられない。
一人は嫌なのだ。
愛が欲しいのだ。
私はただ、それだけなのに。
「すみません、退いてください」
「まだ話は終わってないんだよい」
「早く行かないとダメなんですっ」
「まぁ落ち着けよい」
「お願い、退いてっ」
「だから話を聞けって」
人は誰かに当然に愛されるものではない。
そのことを知ってから私は怖くなった。
私は人を当然に愛していたからだ。
尊いもので、守るべきもので、愛おしいものだと思っていた。
それが自分に返ってくるというのは、別の問題だったのだ。
ショックだった。
悔しかった。
怖かった。
誰にも求められていない私は、なぜここに存在するのか。
その答えが一生見つからないではないか。
それなら私は無価値な人間だっていうの？
「お前は、おれ一人に愛される気はないかよい？」
「…へ？」
かつて、私に「愛してる」と言ってくれた人がいた。
同じ家に住み、朝を迎えて温かなベッドで眠る生活。
穏やかな微笑みを向けてくれ、沢山の胸が高鳴る思い出のある人。
そんな人はある日、他に男を作って子である私を置き去りにした。
「おれはお前を愛してるよい」
目の前のこの人は、その人と同じ言葉を口にしている。
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「ぱずる」(プロフ) - 福知さん» 福知さん、最後まで閲覧ありがとうございました！私の拙いながらの文章ですが、少しでも貴方様の力になれたのでしたら幸いです。また他の作品でもお待ちしております！ (2022年10月24日 0時) (
レス) id: 6f1abe1470 (このIDを非表示/違反報告)
福知 - なんだか救われた気分です。ずうっと圧倒されっぱなしでした... 素敵な作品をありがとうございました❤︎ (2022年10月23日 22時) (レス) @page49 id: ff0718d238 (このIDを非表示/違反報告)
「ぱずる」(プロフ) - ボンクラMONKEY ﾋﾟｰﾔの人さん» ボンクラMONKEY ﾋﾟｰﾔの人さん、最後まで閲覧いただきましてありがとうございます！また、こちらこそ素敵なコメントをありがとうございます。 (2022年9月23日 20時) (レス) id: 6f1abe1470 (このIDを非表示/違反報告)
ボンクラMONKEY ﾋﾟｰﾔの人(プロフ) - めっっっちゃ面白かったです。素敵な作品を、ありがとう。 (2022年9月23日 17時) (レス) @page49 id: 7a2b040506 (このIDを非表示/違反報告)
「ぱずる」(プロフ) - 西鶴さん» 西鶴さん、最後までご覧いただきありがとうございます！新作が出来次第、お待ちしていますので、またお越しください！！ (2022年9月16日 15時) (レス) id: 6f1abe1470 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：「ぱずる」 | 作成日時：2022年6月29日 2時
