転生者と呪い、時々お戯れ

戦闘と最強と〈参〉─予期せぬ出来事を添えて─ ページ14

甚爾視点───────

それは一瞬だった。

稲荷が目をつぶり、そして開いた。

たったそれだけ。それだけで場を支配する空気が変わる。

目の前の呪霊共に、あるいは俺にも当てられる、殺気。

しかし、殺気という言葉だけで片付けてしまうには、あまりに鋭く、

あまりに憎悪をふくんだ、理解したくはない「気持ち」

瞳は紅く染まり、たてに長く、やけに鋭い瞳孔

稲荷の声で、音で出ているであろうその言葉は

ある一種の呪いであり、


『「俺の主殿に手を出そうなど、笑止、」』



気持ちだ



『「もがき苦しんで、死ね」』



俺たちを囲っていた呪霊が消えた。

言葉の通りもがき苦しんで。





甚爾視点終了───







『ホンマに呪霊達が消えちょる！』

酒呑童子、マジなにもんだよ！

『せや、甚爾死んどる⁉』

甚爾「生きてる生きてる。勝手に殺すな」

よ、良かったぁ！

直毘人「何があった！」

扇「今の気配は一体···」

『パピーと扇はん。どないしたん？』

酒呑童子の呪力の気配に気付いたんか？なんにせよやばいなぁ

直毘人「稲荷の術式か？」

扇「禁術のいずれかを使ったのか？」

そんなわけないやん！禁術は確かにオタクのロマン(？)かもしれへんけど、そういうのはまじでヤバイ奴が禁術って気づかへんで使うからええの！

扇「なにか見たか？」

甚爾「俺は何も」

甚爾くん！味方してくれるん？かっこええわぁ！口元に傷が出来てしもうたけど、それでもかっこええわぁ！好き！

直毘人「そうか。お前達は部屋にもどれ。しばらくの間厠に行く以外、部屋から出るな」

『な、なんでや！』

直毘人「なんでもだ。いいか？絶対に出るなよ」

『チッ』

甚爾「クソ」



















『なぁ、あれはなにしたん？酒呑』

酒「俺のことを恐れぬか！ふははははは！それでこそ主殿だ！」

いや、聞いてるんやから答えてや。さてはこいつ、話が出来ないタイプか？

酒「なに、あれは言霊と同じよ。まあ最も、人の子にあれは理解出来ぬだろうがな！」

どゆことぉ？

？「まったく、そんな大雑把な説明では主様に伝わりませんよ、酒呑」














増えた。てか、ぬしさま？柊を思い出すな。夏○友○帳、最後まで見たかったな






九尾「増えたとは失敬な。わたくしは九尾。天狐の九尾であります。主様」



『あー、俺の中の知識で言うと天上に住まう、霊力をもった狐で宜しいでしょうか？』

九尾「ええ」

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