縁側の幸せ2 (ページ41)

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『良いですけど、中村さんさえ良ければ私作りますよ？』

「良いの？」

『結構失念してましたけど、中村さん有名人だから同じマンションからご飯に行ったりするのは、よろしく無いんじゃ無いかな？と思うわけですよ』

「あーまぁ確かにそうだね」

『更にですね、私の仕事場も中村さんの事務所じゃないですか？よからぬ誤解を生みそうだなって思うんですよね』

「撮られると結構困っちゃうかもね」

『だから作りますよ？』

「うーん。じゃあ、甘えようかな」

そう言いながら笑う倫也は、それなら買い出しは自分が行くから、と財布をポケットにしまいスーパーへと向かった

『何作るとか決めてないけど良いのかな？』

買ってくるものも何も決めていない状態で出て行った倫也に疑問を抱きながらもAが部屋で待っていると数十分で倫也が帰ってくる

『何作るか決めてなかったですけど、買うもの迷いませんでした？』

「うん、適当に買ってきたから一緒に作ろうか」

『いや、座ってて下さいよ。おもてなしさせて下さい』

「俺は一緒に作りたいんだけど、ダメ？」

甘えたような声を出してAに問いかける倫也にAはまた胸が高鳴った

『えぇ…ダメというかゆっくりしてて欲しくて』

「じゃあ、見てるのは？」

『まぁ見てるだけなら良いですけど、見てて楽しいですか？』

「うん。結構すき」

『そ…うですか』

倫也のすきという言葉にまた顔に熱が集まるのを感じたAは、そういう意味では無いでしょと心を落ち着かせながら誤魔化すように買ってきてくれた食材を物色する

『何食べたいです？』

「…今A、照れたでしょ」

『はい？』

「俺がすきって言ったから？意識しちゃった？」

『いえ、全然そんな事はないですけど』

言葉で否定していてもAの顔はすぐ赤くなってきていて、倫也はまた満足したように笑った

「まぁ、今はそれで良いけどね。」

『…なにたべたいんですか？』

「拗ねないでよ、俺はなんでも良いからお任せで」

『えぇ？何でも良い…和洋中どれが良いですか？』

「うーん、昨日和っぽかったから洋かな」

『中は？嫌いですか？』

「いや、俺が買ってきた調味料では中華は難しいんじゃない？」

引っ越して早々だったために調味料類は何も無いだろうと多少のものは買ってきた倫也だったが、中華用調味料は買っていなかった為に中華はまた今度お願いするね、と笑った