縁側の幸せ

36 ページ36

『やば…何時？』


またあのまま寝ていたみたいで
目を開けると辺りは真っ暗だった
スマホの光を頼りに家の電気を付けて縁側の窓を閉めた


冷蔵庫からお茶を出してテーブルへと向かうと、見覚えのない小さな紙が置いてあった



「電話に出ろ。
扉、開けたまま寝るなよ。」



たった2行の手紙なのに心底ゾッとした
文字を見るだけじゃ誰が書いたものなのか分からない
戸締りをせずに寝ていた事を後悔しても、もう遅い



『ここには居られない…』



焦りと後悔でパニックになりながら、最低限の必要なものを荷造りを始めた
色々な事を思い出して、目がチカチカする
それでも早く、ここから出たかった


バタバタと詰め込んだ荷物を手に取って、玄関から急いで飛び出した
出来るだけ遠くに、とタクシーを探す


お金おろしてたかな？と財布を見ると千円札が2枚だけ

『絶対足りない…』


近くのコンビニまで走って、ATMから急いでお金をおろした

37→←35

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す