縁側の幸せ

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「お風呂気持ちよかったでしょ？ご飯ももうすぐ出来るから」


お風呂に入って髪を乾かしてから台所へ戻ると、中村さんが私のエプロンをしてこっちを向いて言う


『…嫁だ』


台所に立つ中村さんは見た目は男の人なのに、雰囲気とセリフがまさしく嫁で…何だか可愛いかった

座ってて、と言われるがままにテーブルの前に座って待っていると、数分で土鍋が出て来た


「雑炊だけど、熱いと思うから気をつけてね」


土鍋の蓋をあけると残り物の野菜が沢山入った卵雑炊で、良い匂いが湯気と一緒に上がってくる

『ありがとうございます…嬉しい』

「ん、俺はこれ貰うから。気にせず食べて？」

チラッと中村さんの手元を見ると、冷やしてあったスイカの残りを切り分けて器に綺麗に盛り付けてある


『あはは、スイカで良ければいくらでもどーぞ。じゃあ私もいただきます』


「ん、俺もいただきまーす」


『…美味しい』


「そう？良かった。さっきまで飲んでたからちょっと心配だったんだけどね」


『ん…美味しいです』


中村さんの優しさと雑炊の温かさがさっきまで寂しいと感じてた心に染みる
泣きそうになるのを我慢しながら雑炊をありがたく食べた


「じゃあ、俺そろそろ帰るね
ちゃんと布団かけて寝なよ？」


『…今日中村さんが居てくれて嬉しかったです。今度またお礼させて下さいね』


「ふふ…立ち入り禁止って言われてたのに入っちゃったけどね。早く元気になって」


『本当にありがとうございます』


中村さんを見送って布団に潜って天井を見つめる
寂しさはもうなくなって、人恋しくもない
風邪が治ってきてるからなのか、中村さんのおかげか

きっと中村さんのおかげ
お礼の品を考えていると眠気が来てそのまま朝までぐっすり眠れた

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