戸惑い

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1人でご飯を食べて、今日はゆっくりお風呂に浸かろうと入浴剤を選ぶ
お湯に溶けると甘い匂いのオレンジ色の入浴剤
あの日の夕日みたいだった





『ちょっとのぼせちゃったかな？』


1時間近くゆっくり浸かってポカポカする体を少し冷やそうとお風呂から上がってキッチンに向かう
水を冷蔵庫から取り出して飲もうとした時、玄関の鍵が開いた



扉が開いて顔が見える

『おかえりなさい』


「ただいま」


2日ぶりの恭二さんは、何処か上の空で
あまり元気が無いように見える


『疲れてますか？』


「いや」


『何かあったんですか？』


「…やられた、タカシがやられた」


それだけ呟くと眉間にもっとシワが寄っていて
あの人が、やられたって事はそういう事で
会った事がある人なだけに泣きそうになる


私が泣いちゃいけない、慰めなきゃと思うけど
そう思えば思うほど、涙が勝手に出てきた


「泣きすぎ」


『ごめ、んなさい…多分、恭二さんの分の涙も出てる』


「俺は泣かねぇ」


『分かってる…』


「そんな泣くなよ
俺が泣かしたみてぇだろうが」


『ん…恭二さんお風呂入る？ご飯は？』



「いい、こっち来いよ」

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