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7話 ページ9

ウ)「…これで、最後だね。ちゃんと、見ておくんだよ」

あ)「…はい」
そーゆー類が見えるようになった今、おばーちゃんの力が弱くなってるのが分かる。
かすかにって感じだけど。

鶴丸は、それがはっきりわかるらしい。
日に日に、顔が険しくなっていく。

多分、おばーちゃんはこの神楽を完成させたいんだよね。
じゃあそれが完成してしまったら…?

ウ)「よそ事は考えるんじゃないよ。集中しな」
口調も、見た目も。
やっぱりぴしっとしてて、辛そうになんて見えない。

私の勘違いならいい。
いや、勘違いであってほしい。


鶴)「いい調子じゃないか」

あ)「鶴丸…」

鶴)「ウメも喜んでたぞ」

あ)「…うん」

鶴)「…はぁ。お前がそうだと、ウメだって心配するんだからな」

あ)「…だね。うん、気をつける」
そーだよね。
おばーちゃんが調子悪いのに、気を使わしたらダメだ。

あ)「…よし!頑張る!」

鶴)「おっ、その調子だな!」




ウ)「…A、話がある」

あ)「何…?」
おばーちゃんにつられ、部屋に入る。
前よりも物が少ない…?

ウ)「かけて」
座布団の上に腰掛け、おばーちゃんが座るまでまつ。
目の前には、お茶。

おばーちゃん特性の苦いお茶。
昔は飲めなくて、ジュースを出して貰ってた。

今じゃ平気になったけど。
…懐かしい。

ウ)「これから話す事は、一度しか言わないからね」
強い口調で話すから、自然と背筋は伸びてしまう。

ウ)「…もし、私が死んでしまったら」

あ)「やだ。…聴きたくない」
そんな話をするために、私は呼びだされたの?

ウ)「これは大事な話だ。遅かれ早かれ。いづれ話す話だったんだよ」
それでも、目をそらす私に、そっと手を掴まれた。
おばーちゃんの手は、昔みた時よりもシワシワで。

当たり前の事なのに、寂しかった。

ウ)「私が死んでしまったら、Aがここを支えてくんだよ」
おばーちゃんがやってる事は、この数ヶ月ずっと見てた。
神楽は、明日。

正装し鈴をもちながら舞う。
和琴、大和笛、拍子、篳篥はいないけど。

ウ)「神楽は神様を奉納する時や参拝に来てくださった方の穢れを払ったりする時のみ、するんだよ」

あ)「…うん」

ウ)「後は…私が死んですぐ、ここの結界は溶けてしまう。だから、この前教えた通りに結界をはりなさい」
後は注意事や、何処に何があるかを教えてくれた。

ウ)「それから…国永をお願いね」
最後は、優しく微笑んでいた。

あ)「任せて」
大丈夫。
鶴丸は、1人にしないから。

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作者名:なーこ | 作成日時:2017年3月6日 17時

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