33話 ページ3
皇)「ってかニナ、俺が言いたかったのはそれじゃなくてだな…」
十)「…ニナと、付き合ってる」
ニ)「…ふへっ。そーゆーこと〜」
ニナは。
これ以上ないってくらい、最大に幸せそうに笑った。
とろけるような笑い顔。
十座も十座で、照れくさそうに笑った。
おめでとうが飛び交う中で、万里がこっちに来た。
万)「あー、つまんねぇーなぁ」
そう言って、どかっと椅子に座った。
つまんねぇ、とか言ってる割に顔は笑ってるじゃんお前。
万)「…おっ。ニナ、世良がおめでとーだとよ」
ニ)「世良さん?わぁ〜うれし〜ありがとーって言っといて〜」
万)「あいー」
さて。
俺もそろそろ動きますか、と。
至)「ニナ」
俺が呼ぶと、ニナは少しだけ顔を固くした。
…もう何もしないって。
至)「おめでとう、ニナ」
ニ)「…ありがと、至」
はい、と渡されたニナのお土産は、わざとなのか天然なのか、ペアのマグカップだった。
チラッとニナを見ると、ニナはチロっと舌を出した。
…ふぅん、わざとってやつか。
俺が吹っ切れるとわかってて、買ってきてるってわけね。
至)「ニナ、お前後で覚えとけよ?」
ニ)「さぁ〜?にゃんの事かなぁ〜?」
ニナのお土産を抱え、また先輩の隣に座った。
卯)「へぇ、マグカップね。当分埃かぶったままだね可哀想」
至)「いいんですよ。俺はゲーム一筋なんで」
深夜。
久しぶりに飲みすぎて、電話が鳴ってる事すら気づかなかった。
至)「…ッチ。誰だよクソ」
着信は二件、相手は津野崎からだった。
…まじか。
何かあったのか?と思うけど、それ以上に眠かった。
だから次かかってきたら、出る。
そう自分で決め、そのまま意識を手放した。
その日、津野崎からはそれ以上連絡は来なかった。
次の日、起きてすぐに返信した。
津野崎にしては珍しく、すぐに既読がつき"ご飯食べに来ない?"との事。
この前のあの様子も気になるし。
深く考える事なく、いいよと打った。
津野崎はいつでもいいって事なので、明日お邪魔する事にした。
そして今日、取引先の会社である西崎さんと打ち合わせがある。
…気まづすぎでしょ。
多分知らないであろう彼と、一方的に知ってる俺では圧倒的に俺が不利だし。
けどまぁ、今日もおかたそうな彼は礼儀正しくきっちりしていた。
「もしよろしければ、お昼一緒にどうですか?」
おい、こら、花巻。
至)「すみません、花巻が」
西)「…いいですよ。お邪魔でなければ」
まじか。
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作者名:なーこ | 作成日時:2019年1月17日 22時