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29話 ページ30

おいおい、それは違うだろう。
天馬もニナを好きだって事は知っていた。

でも天馬は、十座とくっつけば諦められるって思って引いてたのも知っていた。
その天馬が、ぶちキレてる。

皇)「ニナから、チケットを貰った」

臣)「…飛行機の?」

皇)「あぁ。言っただろ?ニナは帰ってくるつもりないんだって」

は?
初耳なんですけど。

なんだよ、あいつ。
帰って来たら聞くっていってたくせに。

天馬には一緒に来いってか。

皇)「…いいんだな、十座さん」

天馬の目が、強く光った。
俺だって文句いいたいし、そのチケットを奪ってやりたい。

だけどそうしなかったのは。
"俺の出番じゃない"ってのがハッキリ分かったからだ。

お前は今、主役じゃない。
そう言われたような気がした。

十)「…っ」

バカだなぁ、十座。
もうハッキリ言ってやれよ。

俺はニナが好きだから、そのチケットくれって。
顔に出てるんだよ、お前。

何とも言えない表情の十座は、力強く拳を握った。
その時。

天馬の携帯が鳴った。

皇)「もしもし。…あぁ。……は?」

天馬の顔が曇った。

皇)「わかった。今から行く。…あぁ」

深刻そうに電話を切ると、眉を下げて言った。

皇)「ニナが、あっちでケガしたらしくて…」

十)「何?本当か?」

皇)「あぁ」

十)「……天馬、悪いがソレ譲ってくれないか?」

皇)「…」

十)「この通りだ。…行かせてくれ」

十座が、頭を下げた。
頼む、と深く頭を下げた。

皇)「…15時40分発だから」

十)「…すまねぇ」

映画のワンシーンのようだった。
俺はその映画のモブ。

十座は走って部屋に行き、数分後に財布とパスポートだけ持って出て行った。

左)「…はぁ。茶番は終わったか?」

監)「え?」

左)「皇、本当にニナは帰ってこないって言ったのか?」

…茶番?

天)「まさか。ニナはそんな事一言も言ってませんよ」

太)「じゃ、じゃああのチケットは…」

天)「…自腹きった」

万)「はぁ?まさかお前、あいつらくっつけるために一芝居打ったって事か?」

天)「たまにはいいだろ」

はぁ、と皆が息を吐くのが分かった。
ホッとしたと言った。

…違う、でしょ。

天)「まぁ、あれぐらい簡単だし…っ」
幸)「はいはい褒めてあげる。褒めるついでに、手伝って欲しい事があるから来てよ」

一)「はいはーい、手伝うよー」

三)「俺も俺もー」

椋)「九ちゃん、僕達も行こっか」

九)「う、うん」

夏組は気づいていた。
天馬が、十座のためにニナを諦めた事を。

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なーこ(プロフ) - まるさん» 見落としてました…。すみません、気をつけます (2018年10月9日 12時) (レス) id: bce89ec21f (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作品を作る前にルールをしっかりご確認下さい。オリジナルフラグをちゃんと外して下さい (2018年10月9日 11時) (レス) id: 07f23207a7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なーこ | 作成日時:2018年10月9日 9時

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