28話 監督side ページ29
その日の朝も、天馬くんはソワソワしてた。
ニナちゃんがここを留守にしてから、天馬くんは何処か変だった。
朝ご飯をみんなで…一部いない人もいるけど、まぁそこは無視。
皆で食べてた時、それは起こった。
皇)「…もう我慢ならない」
静かに言葉を発し、箸を置いた。
一)「テンテン？」
隣で座る一成くんの顔が、一瞬にして不安そうな顔に切り替わる。
皇)「なぁ十座さん、ニナに返事してやった？」
十)「…いや」
返事、ってのはニナちゃんが十座くんに告白した事だよね。
びっくりして目線を彷徨わせると、東さんと目があった。
東さんはやれやれ、と肩をすぼめ軽く笑った。
その隣で左京さんはどうでも良さそうに、新聞を読んでいる。
皇)「好きなんだろ」
十)「…」
十座くんは食べることをやめ、天馬くんと向き合う。
それから彼は、天馬くんから目線を外し呟くように言った。
十)「…わからない」
皇)「わからない？…ふざけんな」
一)「テンテンストーップ！」
万)「ちょ、天馬。何怒ってんだよ」
天馬くんに違和感を感じた万里くんと一成くんが立ち上がる。
…いきなり、どうしちゃったの？
皇)「ニナはなぁ…もう帰ってこないつもりなんだよ」
十)「…ニナが、そう言ったのか？」
皇)「あぁ」
十)「……そうか」
ボコっと、変な音がして、天馬くんが十座くんを殴った。
口が、開いて。
びっくりして、反射的に立ち上がった。
監)「て、天馬くん…？」
頬が赤い。
痛そう。
なのに、天馬くんの方が痛そうだった。
壊滅的な空気の中、ドアが開いて。
至)「どうしたー、外まで聞こえてるぞー」
至さんが入ってきた。
…何で今かなぁ、とか。
タイミングが悪い彼に少しだけイラついた。
皇)「…俺はアンタがそんな意気地なしだとは思わなかった」
十)「…」
皇)「好きじゃないなら、ハッキリ言ってやればいい…！あれじゃニナが…可哀想じゃないか」
万)「天馬、落ち着けって。あー、兵頭にだって考える時間が必要だろ？」
皇)「何を今更考えるんだよ！あれだけずっと特別視されてんの、気づいてただろ？！」
十)「…そうだな」
煮え切らない十座くんに、怒りを露わにする天馬くん。
至さんはそれを、自嘲気味に笑いながら見ていた。
恋にもタイミングがある。
元はといえば、至さんが早まらせたのが原因だけど。
でも今は、十座くんが決めなきゃいけないと思う。
皇)「…いらないなら、くれないか？俺だったらアイツを幸せにできる」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 26人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なーこ(プロフ) - まるさん» 見落としてました…。すみません、気をつけます (2018年10月9日 12時) (
レス) id: bce89ec21f (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作品を作る前にルールをしっかりご確認下さい。オリジナルフラグをちゃんと外して下さい (2018年10月9日 11時) (レス) id: 07f23207a7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なーこ | 作成日時：2018年10月9日 9時
