245話 ページ5
ごめんね、と抱きしめた。
もうしないよ、と。
二度としないと約束をした。
1人、また1人と私の周りに集まってくる。
許せないと、だけど無事でよかったと。
そう言ってくれた。
全員が来てくれたわけじゃない。
だけど、こんな私を受け入れてくれた事が、うれしかった。
光忠は、隣に座ってきた。
表情が冷たい。
秋田と目があった。
眉を下げ、心配そうに見ている。
突然、パシンと叩かれた。
燭)「…意味は、わかるね？」
あ)「…うん」
燭)「無茶するなって、心配するからって、いつも言ってたよね？僕」
あ)「聞いてた」
燭)「僕は怒ってるから」
あ)「…うん」
光忠は正しい。
いつも、正しかった。
燭)「…二度と、しないでね」
あ)「…うん」
燭)「心配したんだよ」
ぎゅっと、抱きしめられた。
いつもの硬い腕に、安心した。
燭)「こんな…目になって…っ」
女の子なのに、と。
悔しそうな顔をした。
あ)「…みっちゃん」
燭)「…何」
あ)「お揃い」
燭)「…バカ」
へへっと笑うと、泣きそうな顔で、私の頬を撫でた。
みっちゃんが叩いた頬を。
撫でながら、ごめんね、と呟いた。
だから私は、ありがとう、と言った。
私を待っててくれた皆に。
もう一度、ごめんねと、ありがとうと言った。
どうやら寝てしまったらしい。
気づけば、日が落ち始めていた。
燃えるような赤、でもなく。
優しい橙、でもなく。
寂しい琥珀色をしていた。
あ)「…痛いなぁ」
無いはずの左目が、いたい。
私の部屋に、光が差し込んだ。
私を照らして、眩しい。
それでも私は目をそらさなかった。
なぜだが、そらせないでいた。
あの太陽の中に、琥珀色の中に。
青江がいるような気がしたからだ。
青江が光となって、照らしてくれてるように見えたからだ。
ーーねぇ、青江
もう繋がるはずのない相手に、声をかけてみる。
ーー私に一つぐらい、残しといてくれてもよかったじゃない
貴方を感じるモノが。
今、欲しいのに。
光は徐々に小さく、か細くなっていく。
消えかかっていた。
何か、目の端でキラリと光った。
あ)「…何？」
机の上に、ソレはあった。
あ)「これ…簪…？」
私のじゃない。
これは…
あ)「…青江…っ」
青江のだった。
私が、あげた、色違いの簪。
あ)「青江…」
大事な始末書に、涙がしみる
だけど、気にしてられなかった
簪を手にとり、優しく抱きしめた
ーーありがとう。ありがとう、青江
いくら探しても、私の簪は見つからなかった
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華音(プロフ) - こんばんわ☆初めまして(*^^*)凄く面白くて感動致しました｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡ただ、全体的に所々ではありますが誤字脱字が多く見られましたので^^;御報告致しますね♪それではこれからも頑張って下さいませ(*´∇｀*) (2020年6月22日 22時) (
レス) id: 85eea2d6ee (このIDを非表示/違反報告)
Rain Rabit - めちゃくちゃ泣きながら読みました…皆格好よすぎか…！！！ (2019年12月17日 23時) (レス) id: 9c6dd3d23f (このIDを非表示/違反報告)
めめこむまーりん(プロフ) - 凄く感動しました。途中途中涙が止まらなくて何度中断したか。。 (2019年1月30日 3時) (レス) id: 43047aa610 (このIDを非表示/違反報告)
cfDbg4VRAsnucMY(プロフ) - (´；ω；｀) (2018年7月17日 22時) (レス) id: 7462f02827 (このIDを非表示/違反報告)
なーこ(プロフ) - よっしーさん» ありがとうございます！ 青江を好きになってくれたら嬉しいです^ ^ (2018年7月16日 0時) (レス) id: bce89ec21f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なーこ | 作成日時：2018年7月11日 22時
