鶴の泣き声５ (ページ9)

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129話ページ9

ワナワナと震える蘆屋。
隣で青江が私の結界に霊力を注ぐ。

パリンと音がして、私の手足は自由ななる。

あ)「さて。あの子達を返してもらおうか」

蘆)「させるわけないでしょう…！膝丸！拘束して！」

膝)「承知した」

あ)「青江」

青)「うん？傷つけないでって事かな？」

あ)「愛してる」

青)「ふふ。ズルイ人だなぁ、君は」

量は少ないが、綺麗な花弁が舞う。
私の”愛してる”は最上級の褒め言葉だ。

それを知ってて使ったわけだから、嬉しくないはずはないだろう。

金属音が響く。
狭い部屋、傷つけまいとかばうならば、脇差の方が有利だ。

蘆)「本郷、捕まえて」

本)「はー…」

気怠そうに向かう本郷。
ピンチは変わってないけども、青江がいるなら別だ。

あ)「青江、30秒」

青)「任せて」

本)「何を…」

膝丸の刀を飛ばし、私の前に立つ。
ヒュッと、半円に刀を回す。

青)「今の線を越える事は死を意味することだよ」

青江の気迫もあり、動けないでいるうちに、意識を本丸につなげる。
それから、波長が合う刀を引っ張り出す。

あ)「三日月宗近、今剣」

三)「おぉ、主。こんな所にいたのか。皆が探しておったぞ」

今)「あるじさまー！かってにどっかへいったらダメじゃないですかー！！」

あ)「心配かけたね。…悪いんだけど、帰る手伝いをしてくれる？」

三)「あい、わかった」

今)「まかせてくださいねー！」

私は何故か、平安刀の方が波長が合うみたい。
二振を目の前にし、怯む蘆屋。

あ)「青江、拘束」

青)「あぁ」

青江に続き、今剣が動く。
政府の人間と言えど、付喪神には勝てるはずもない。

付喪神は付喪神でも刀のなのだから。

膝)「主！」

三)「ふむ。してお主の相手はこの俺だな」

膝丸の相手はみか。
それは刀を交えなくとも、勝敗は決まっているもんだった。

ほどなく、2人と一振を拘束し終えた。

あ)「さ、案内して」

蘆)「…嫌と言ったら？」

あ)「え、別に自分で探すだけだけど」

蘆)「…」

あ)「…まぁいいや。青江、悪いんだけどしその人連れてけれる？」

青)「できるよ」

あ)「宜しくね。みかといまちゃんは、ここで待機して貰うね」

三)「帰ったらじじいと日向ぼっことやらでもしようじゃないか」

今)「ぼくと、あそんでくださいね！」

あ)「わかった」

宜しく、と話しサンニンで部屋を出る
蘆屋は隣でだんまりだ

あ)「青江、分かりそう？」

青)「うーん、微妙だなぁ」

蘆)「ふん。そう簡単にバレてたまるもんですか」