鶴の泣き声５ (ページ1)

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121話ページ1

穏やかに時は過ぎ、気づけば仲間も増えていった。
夏が過ぎ、秋が来て、冬になろうとしている。

あ)「寒いねぇ」

青)「もう冬が近いからねぇ」

あ)「ここで雪は見えるのかな？」

青)「うーん、君は雪が見たいのかな？」

あ)「全く。だって冷たいだけだし」

鶴)「君は全く可愛げがないなぁ！」

あ)「うわっ、びっくりしたー…鶴丸か」

乱)「僕もいるけどねー」

あ)「うん？珍しい組み合わせだね」

タタタっと走ってきて、いつもの席に座る乱。
…つまり、膝の上。

あ)「あー、あったかいねぇ」

寒い今は、丁度いい。

乱)「ちょっとー！そんな強く締めたら苦しいでしょー！？」

あ)「…もっと締めたろか」

青)「ふふっ。君は何だかんだで、乱くんに甘いんじゃないかな？」

あ)「あれ？そうかな？」

乱)「当たり前でしょー！！僕が1番なんだからね！」

安)「それはないんじゃない？」

加)「ちょっと」

清光に止められる形で、安定が入ってきた。

乱)「何？僕とやりあおうっての？」

安)「表出ろやオラァ！」

歌)「何だい！？見苦しいね！！」

睨み合う乱と安定。
騒ぎを駆けつけたのか、歌仙まで登場する始末だ。

…どうしてこう、うちのコは血の気が多いのかなぁ

髭)「ありゃ？皆揃って何してるのかな？」

あ)「あー、雑談？」

青)「これが雑談に見える君は凄いよね」

あ)「やめたまえ～君たち」

基本放任主義のため、乱闘を始めようが、説教が始まろうが、イタズラを仕掛けようが気に留めない。
そんな私だからか、私と同じ波長になるものと、しっかりするものが出てくる。

例えば、青江。
完全に私の補佐役をしてくれてるよね。

加)「もーどうにかしてよね～」

あ)「あ、お菓子食べたくない？」

加)「自由か！」

もう、とか言って取りに行ってくれる清光素敵。

伽)「…何の用だ」

あ)「ん？伽羅？呼んでないけど…」

伽)「っち。ならかえー」

膝)「A、入るぞ」

ピシャンと襖を閉めた音が妙に大きく聞こえた。
…何故だろう、嫌な予感がする。

あ)「…膝、どうかした？」

誰も何も気にも留めない。
が、どうも可笑しい。

ーー青江、何か違和感あるんだけど。

ーー…？いきなりだねぇ。

ーーちょっと、一緒に考えてくれる？

ーー了解。

青江とのルールとして。
皆でいる時に、心で会話する時は、お互い目を合わせないようにしてる。

バレないように。

膝)「兄者がいるかを確認しにきたんだが…必要なかったな」

髭)「うん？何かな？」