【短編集】エンカウンター (ページ1)

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また1つ教えてもらったこと。〖drm〗ページ1

you side

「なぁ、Aってゲームした事あるん？」

ある日のお昼過ぎ。
昼食(彼にとっては兼朝ごはん)を食べ終え、お皿も洗い終わったので2人でソファに座っていた時、急に質問がとんできた。

『ゲームですか？した事はありますよ。』

「え、意外やわ。なんのゲーム？」

『脳トレとか…テトリス？ですかね。』

ゲームといったら脳トレゲーム位しか分からない。
そもそもゲーム自体することが無かったし。

「テトリスは兎も角、脳トレってゲームに入るんか…？w」

「じゃあFPSゲームとかはした事ないんや？」

『FPSゲーム…だるまさんがいつもしているものですよね？やった事ないです。』

「そうかー、勿体ないなぁ！！」

勿体ないとはどういう事だろう、別にやりたいとも思ったことは無いのに。

『どういう事ですか？』

「だってA、耳めっちゃいいやん。」

『…それだけですか？』

「あと判断力とか反射神経とか…いっちゃん大事よ？？ゲームするに置いて。」

『なるほど、？』

「もしかして疑っとる！？w」

別に疑っている訳じゃない。
ただ、耳なんて澄ませたら細かな音は聞こえるものだし、判断力や反射神経は皆持ち合わせているものでは無いのか。大事なのかもしれないが、自分は他人と比べてずば抜けているわけでは無いはずだ。

しかし、ゲームを職としている彼がこんなにテンションが上がってにこにこしているのだから…と少し興味が湧いてきた。

我ながら今まで興味が無かったものにここまで湧くのは驚きだ。