良心 ページ2
再び来たコンビニ。
店員さんが変わっていてくれたりしたらきっと、まだ恥ずかしくはないのだろう。
そんなバカみたいな願いを込めて自動ドアをくぐるとやはり、先程の店員さんは作り笑いをうかべながら何回と繰り返しただろう「いらっしゃいませ」を言う。
そんな店員さんも私の顔をみた瞬間、「お待ちしておりました、お客様」とまるでメイド喫茶のような挨拶をしてくれる。
「わざわざ、すみません。」
「いえ、けど…財布を忘れるだなんて…珍しいですね？」
「えっ…？」
『珍しい』だなんていう言葉、あまり初対面の人には使わない気がする。
顔見知り程度でそんな言葉を使うだなんて、不自然だ。
この人は、私のことを知っているのか？
「白猫さんですよね？この前超会議に行きました」
「えっと…リスナーさんですか？まさか、私を知ってるなんて…」
冷静を偽る。
よかった、ちゃんとマスクをつけて来て。このコンビニの店員さんが私のマスクが無い姿を撮ったりして某SNSに晒したりなんかしたら大変だ。
「声で分かりました、えっと…もう少しでシフト終わるんでコンビニの近くで待っててくれませんか？もっとお話ししたいことがあって…」
「い、いえ…ごめんなさい。プライベートなので…」
「そう…ですよね……、もしよかったら…またこのコンビニ来てくださいね」
悲しそうに眉を下げて会計を始める店員さん
こんな悲しそうな表情をされてしまったら、こっちの良心が疼くに決まっている。
「……少しだけなら、いいですよ。せっかくこうしてあったわけですし…」
そう言うと目を輝かせる店員さん。
ああ、そんな純粋そうな瞳で私を見ないでくれ。
「ありがとうございます！すぐに仕事終わらせますね」
「…、はい」
続く
お気に入り登録で更新チェックしよう!
最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している
←コンビニでの失態
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：佐藤@くそメガネ野郎 | 作成日時：2018年1月21日 21時
