貴方の不幸は蜜の味♡ 【実況者】 (ページ1)

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コンビニでの失態ページ1

右から左へ流れる視聴者の声。
その中には好評かなものや、アンチが入り混じっていて見る分にはいいが自分がそうやって品定めされているとなるとなかなか見れたもんではない。

『実況やめろ』

『おもんな』

『池沼すぎワロタｗｗｗ』

上記のようにアンチのコメントだけをピックアップするととても、ひどいものができてしまう。

そんなものを見てもなお、私は実況をする。

「はい、どーもーｯ！白猫にゃんにゃん♡白猫でーすｯ！」

女実況者となると、可愛いや可愛くない、性格悪そう等と言った男性実況者とはこれまた違う観点をついてしまう、それはきっと女性実況者にしか分からない苦悩であり、きっとこれからも改善されることは無いのだろう。

「今日はですね、この＿＿＿＿」

「今日はこれで終わりですｯ！皆様ご視聴有難うございましたｯ！ばいばーいｯ♡」

録画が終わると、一人の部屋に響いていたゲーム特有のＢＧＭとSEと自分の声が消え、何事もなかったように時間は進む。

カーテンの外を見れば真っ暗で思った以上に時間が進んでいたことを実感する。

私は壁にかかっていた服とマスクつけ、財布やら携帯やらをいれているバッグを持ち怠い体を動かしてコンビニへ行く。

夕飯を買うためだ。

「いらっしゃいませー」

礼儀正しいコンビニの店員を素通りして向かうのはカップラーメンの棚。

毎日といってもいいほど買っている『ＵＦＯカップラーメン』

それを適当に籠に入れ、今度は飲み物を選ぶ。

私の大好きな苺ミルクだ。

いつか、青い鳥っていうＳＮＳで苺ミルクの原料は虫だ、みたいなことが大量に拡散されていたけど、私はそれを信じていない(信じたくない)ため今も飲み続けている。

会計をしようと会計場所へ向かうと何回か会計をしてもらったことのあるお兄さんがいた。

目も合わせずに会釈をすると店員さんは困ったように私に微笑んだ

「合計、３５６円になります」

私はバッグから財布を取り出そうとする。

「……」

やばい

財布が無い。

店員さんをちらっと見ると私の焦りが伝わったのか「お客様、大丈夫でしょうか？」と。

「…財布、忘れました。家、近いんで取りに行ってきてもいいですか」

コミュ症な私は精一杯脳でつくられた言葉を言う

「…！！はい、お待ちしております」

私はコンビニを出る。

あぁ、もうこのコンビニ恥ずかしくて行けねーな。