【忍たま】一文字【短編集】

【能勢久作】本　続き ページ8

昼休み、誰かに話しかけられた。

「僕、久作の友達なんだなぁ。時友四兵衛と言うんだなぁ。少し来てほしいんだなぁ」

あ、この子可愛い。
一生ついていきます！というくらい。

返事する前に、腕をとられて連れてかれた。
意外と力強い。


連れてかれた場所は、人気のない廊下だった。
そこには、同じクラスの久作と仲の良い奴等が二人いた。

確か名前は、池田三郎次と川西左近。
……え、ナニコレ。
もしかして私、拉致られた？


「お前、久作と仲良いだろ昼休み、誰かに話しかけられた。

「僕、久作の友達なんだなぁ。時友四兵衛と言うんだなぁ。少し来てほしいんだなぁ」

あ、この子可愛い。
一生ついていきます！というくらい。

返事する前に、腕をとられて連れてかれた。
意外と力強い。


連れてかれた場所は、人気のない廊下だった。
そこには、同じクラスの久作と仲の良い奴等が二人いた。

確か名前は、池田三郎次と川西左近。
……え、ナニコレ。
もしかして私、拉致られた？

ちなみに！
私は、ルーティンというのを習得している。

ルーティンとは、脳にある動作を覚えさせて、その動作をすると自然的に真顔なるという優れもの。
簡単に言うと、そんな感じ。
私は、左手を首に当てることで真顔を維持する。普段の真顔は自然的なものだが、これは非常事態によく使う。
よくあることでは、本が面白すぎて笑ってしまいそうな時とか。


「お前、久作のことどう思ってるんだ」
『そうですね……本を貸すくらいには気に入ってますよ？』
「言い忘れてた。正直に言ってくれ」
『全巻読んでほしかったですね』

嘘は言っていない。
だって、これも思ってたし。
全てとは言われてないし。

「そうか」
「もう用はないから帰っていい」

川西左近！
お前、冷たすぎ！


『あ、そうでした。私、能勢久作に本をとられっぱなしでして、返してほしいと伝えておいて下さい。お願いしますね』


あの巻はお気に入りだから、返してほしい。
心の底から思う。

●

次の日。

「アイツ等がすまん。あと、本も返す」
『奴等マジで怖い。もう、奴等と関わりたくない。時友は別にいいけど』
「言っておく」
『続きの本、残り３冊貸す。はい。次は、ちゃんと返してよ』
「わかった」


授業中、返ってきた本を開いた。
三週間振りに返ってきて、授業中は暇だから読もうかと思って。
読み始めて少し経つと、１枚の紙が入っていた。

そこには、「好きだ」と書いてあった。

ーーーーーーーーー
続きます。

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