【忍たま】一文字【短編集】

【富松作兵衛】壊　続き ページ21

お久しぶりです。

このお話の最後、なんかあれです。
想像してたのと絶対に違います。
それでも読みたいのならどうぞ。
ーーーーー


「これより、上級生奪還戦を始める」


学園長先生が言う。

作戦としては簡単なもので、一年は組のからくりコンビを先頭に作った幾つものからくりにどれか一つかかってくれれば、くのたまと三年生が一気に突っ込み、上級生と戦う。少し遅れて教師陣も突っ込み、上級生と戦う。
その時、遠くから狙う山田先生が火縄銃で天女を狙撃。からくりは、足をひっかけると学園の外から沢山の小石が降ってくるというもの。
シンプルだが、結構痛い。



『作兵衛、怪我するんじゃないよ』
「お前は無茶するんじゃねーぞ」


なんて言っているうちに、天女がかかった。
方角は西、いや、北、東、南……

全てだ。



「やられたわ」
「天女は罠があることを知っていたのね」
「ユキちゃん、トモミちゃん。今、先生方四人が見て回っています。まずは落ち着いて、敵がいないか見渡すのです。いきなり奇襲をかけかれることも珍しくはありません」
「「山本先生……」」


先生方が帰ってきた。


「東西南北、全ていません！」
「どうしますか！」
「うむ。まずはここで待機じゃ」




「随分とお困りのようね」


甘ったるい声が聞こえた。


『お姉様、よろしいのでしょうか？』
「えぇ。もう飽きたわ」
『帰るのですか？』
「えぇ。勿論よ」
『では私も』


最初は訳がわからなかった。


「どういうことじゃ、深雪よ」
『深雪じゃありません。要です。後藤要です』
「要、帰るわよ」
『えぇ、お姉様。……ところで、上級生の妖術は解きましたか？』
「解いたわよ。今はぐっすり寝てるわ」
『それはよかったです。では、呪文を唱えて』
「そうね」


天女が先にいなくなる。


『皆様、私のお姉様がご迷惑おかけしました。以後、来ることはありませんのでご安心を。しかしここは、随分と楽しい場所ですね。では』


彼女もいなくなる。


どういうことなのか。

深雪は天女とグルだった。

何故？

命令だ。

お姉様と呼んだいたのに？

わからない。

わからない。



「……解散じゃ。先生方は上級生を探すように」



何処からこの学園は壊れていたのか。

わからない。

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