【忍たま】一文字【短編集】

【富松作兵衛】壊 ページ20

注意
天女ネタ
少し流血表現あり
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天女。

そいつは、学園を壊した存在。



『作兵衛。大丈夫？』


片思いのくのたま同級生が言う。


「大丈夫だ」


堀部深雪。
深い雪と書いて、みゆきと読む。


『食満先輩も守一郎さんもあっち側？』
「あぁ」


上級生は妖術で操られている。
天女を慕い、道具として働いている。
まるで人形のように。

下級生は天女の道具となっている。
上級生の道具とは違う。玩具だ。
天女は、精神的苦しむ姿を見て楽しんでいる。
気に食わないことがあれば直ぐ暴力も暴言だ。

くのたまも、天女の道具。
下級生は精神的だが、くのたまは肉体的に苦しむ姿を見て楽しんでいる。
女は傷つける、それを普通と思っている。

教師陣は、手のつき用がなく困っている。
下級生とくのたまを見るだけで精一杯だ。


もう、どうすることも出来ない。


「手、怪我してる」
『うん。ちょっと、ね……』


言わないのは、言えないから。
天女にやられた、と言って、もし聞こえたならば、痛みに悶えるだけの薬を呑まされる。


『作兵衛は、いなくならないでね』


その言葉の意味は、深雪が竹谷先輩と仲が良かったから。中在家先輩と仲が良かったから。周りの人がいなくなっていくのが怖かったから。


「いなくなるわけねーよ」
『わかってるけど、心配だからつい、ね』


何も、深雪だけではない。

皆、思っている。

これ以上、誰かが離れていかないように、と。


『作兵衛。委員会の後輩は元気？』
「他よりは比較的元気な方だと思う」
『今度、遊びに行くね』
「あぁ」
『ついでに手伝うよ』
「助かる」
『……泣いていいよ』
「……あぁ」




大丈夫なわけがなかった。

それは、操られている者意外。



天女は、これから反撃してくることを予想して、作戦を練りに練っていた。

天女にも余裕がないのだ。



天女が来て一週間。

学園は動き始める。


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続きます。


明日にまた更新しますから待って下さい。

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