【忍たま】一文字【短編集】

【黒門伝七】【任暁左吉】運　続き ページ17

あれから二日経った。

私はまた落ちている。
何処にって、落とし穴だ！

今日は鬼ごっこしてないのに！
物を窓から落としたから来ただけなのに！


「あ、誰かいる」


誰だこいつ。


「僕、笹山兵太夫。もしかして二日前も落ちた人？伝七と左吉に助けてもらったらしいね」
『いやまあ、そうですが……』


失礼な奴だ。


「今助けるよ。待ってて」


いなくなって少し経つと。
笹山なんとかは来なくて、黒門伝七が来た。


「またすまない。近藤さんはあまりここに来ない方がいいと思う。どうやら君は運がないようでな。あと、保健委員会には入らないようにしろよ」


なんて言われた。
まあ、間違っても委員会なんて入るつもりないけど。




それからもよく落ちた。

少し雑木林みたいなここは、たまに来る。
遊んだり、窓から物が落ちたりするから。

ここに来る度に落ちる。

そして黒門伝七や任暁左吉のどちらかに助けてられる。

時には落とし穴の中で三時間近く放置されることが合ったため、落ちたら呼んでくれとLI○Eを交換してしまった。

まあ、スマホを持ってなかったら出来ないけど。と言えば、絶対に持ってろと言われた。

なんてことや。



そして今日も。


『ありがとー』
「……お前、いい加減ここに来るなよ」


任暁に言われた。


『仕方ないよ、物が落ちるんだもの。あとは紙が飛んでいったり』
「不運だな。……わかった、物が落ちたりして、ここに来る機会があったら僕達に言え。変わりに取ってきてやるから」
『あ、本当？ありがとー』


私達はいつのまにか親しくなっていた。

●

１学期中盤、席替えをした。

私は、窓側になった。
私が気をつけて物は落ちなくなったものの、暑くなってきたため窓が常に開いた状態に。
すると、よく紙が飛んでいった。

授業中はまだいい。貰えるから。


「先生ー。また近藤さんの紙が飛んでいきましたー」
「仕方ないですねー」


ただし授業が終わった時、もう終わった宿題を落とせば。


「拾ってきた」
『いやー、ありがとー』


黒門と任暁が交代で拾ってくる。

と、ある時気付いた。


『別に拾ってこなくても、先生にプリント貰って宿題見せてくれればよくね？』
「あぁ、確かに」


先生を探せなかった時だけ、拾いにいってくれた。ちなみに雑木林みたいなのは、窓の直ぐ近くにある。



そんなある日。

雑木林で友達と遊んでいたら、落ちた。

二人に助けを呼んだ。

来たのは、任暁だけだった。

ーーーーー
続きます。

【黒門伝七】【任暁左吉】運　続き→←お知らせとか

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す