【忍たま】一文字【短編集】

【三反田数馬】植　続き ページ13

食堂で名前を呼ばれた。
誰かと思いきや、あの人だった。

そう、三浦小春だ。


「数馬、いつのまに恋仲出来てたの」
「迷子の時助けてくれたんだよ」
「へぇー」
「絶対信じてないよね」
「うん」


藤内の馬鹿！

僕は一人で、夕飯を持ちそこに向かった。
何故か上級生にだけ、哀れみの目を向けられる。よくわからない。


『待っていたよ。じゃあ聞いてもらおうかね』
「え、何を？」
『何をって、植物に決まっているじゃないか』



それからは地獄だった。

植物の話を散々聞かされ、返してくれなかった。藤内は先にいなくなってしまった。

呪いのような、洗脳のような、止まることのない話を聞き続ける。
上級生の哀れみの目がよくわかった。
きっと、他の先輩もこんな目に遭ったのだろう。

止まったのは、伊作先輩が来てから。


「コラコラ小春。そこまでにしときなさい。数馬は慣れてないんだから」
『そうですねぇ。だいぶ話しましたし、もういいです。君、ありがとーねぇ』


こうしていなくなった、あの人。
というか、これって慣れの問題なの？

「三反田ぁー！よく頑張ったぁー！」

孫兵のとこの、竹谷先輩が来た。

周りを見れば、ほとんどの上級生がいる。
そんなにいるなら、止めてほしかった！！

「三年生で始めての犠牲者はお前なんて不運だな……。流石、保健委員だ」

あの潮江先輩ですら涙ぐんでいる。

「ほら三反田、お菓子をあげよう。お前はよく頑張った」
「私からもお菓子をあげよう」

四年生からお菓子を沢山貰った。
特に、平先輩と田村先輩からのお菓子の量と質が凄かった。


ーーーーーーー

いや、本当、数馬ごめん。


皆様もいろいろごめんなさい。

恋愛系じゃなくてごめんなさい。

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