【忍たま】一文字【短編集】

【善法寺伊作】花 ページ2

△注意△
・死ネタ
・転生、現パロ
・年齢操作
・解説まないとわからない

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「お姉さん、どうしたの？」


白い髪で、銀色の目。妖怪でも、流石に気持ち悪い存在だった。

なのに。

人間の子が、私のことが見えるなんてあり得ない。しかも、話しかけるなんて変な子だ。


「僕、善法寺伊作！10歳だよ！」
『そ、そうなんだ…』
「はいこれ！あげるよ！花！」
『あ、ありがとう…』


この子は、とても優しい子だった。
そして、人間の成長は早いから、成長を見るのは楽しかった。


「俺は食満留三郎だ！」
「僕は善法寺伊作！これからよろしくね！留三郎！」


この子にしか見えてないらしい。
あと、見ているとこの子は相当な不運だってことがわかった。


伊作はプロ忍になって、学園を離れた。
時々、学友に会ってる。

任務の時はハラハラする。
とりあえず、不運どうにかならないのか。


初めて会って、何十年も経った。
学友は皆、逝ってしまった。

不運は今も現在だ。


『いさくー、いさくー？』
「何？いろは…」
『今日は晴れてるね』
「そうだね。あ、留三郎…久しぶりだね…」


『伊作。安らかに。今日は晴れてるから、空までの道のりで風邪ひくこともないからよかったね』



『い、さく……いさく……』




葬式が行われて、土に埋まった。

秋は枯れ葉をはらい。
冬は雪をはらい。

春は、初めて会った時に貰った花が墓の前で咲いていた。
そしたら、今までの思い出が頭に流れてきて。


私の膝の上に座ってたり、後輩と一緒に遊んでたり、落とし穴に落ちてたり、同室の留三郎とバカやってたり、不運でテストに失敗してたり、いろんなことをしたり、していたりして。

涙が溢れてきた。

寿命だからしかたなかった。
戦死じゃなかっただけよかった。

そう言い聞かせてもダメだった。

泣き疲れて、寝てしまった。
夢の中で、伊作は笑っていた。ずっと笑っていた。最後は、名前を呼ばれた。

「いろは！」




起きたときには、目の前に若い髪の短い伊作がいた。

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◆解説◆
・入学する前の伊作と春に出会います。
学友が出来て、その様子を見ている。
・気づけば、六年生になって、卒業。
・出会って何十年。晴れの日に、伊作は逝ってしまった。
・秋、冬と過ごし、春。貰った花が墓の前にあって、そこで号泣。
寝てしまったのではなく、暴れたいろはは、封印されてしまう。
・何百年も経ち、封印を解いたのは転生した伊作だった。

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