海が綺麗 [HS] (ページ13)

今日:8 hit、昨日:2 hit、合計:15,882 hit

13 ページ13

HS「またな！」

ばあちゃんちに帰ってからも、あのスニョンの泣きそうな笑顔で頭はいっぱいだった

彼の過去に、一体何があったんだろう

「うーん…」

大切な人を想っているだろうあの瞳

笑ったら目が見えなくなっちゃうくらい、あまり大きくない目だけど……

吸い込まれそうな、何か魅惑的なものを秘めているあの瞳が忘れられない

『A？帰ってきてからずっとしかめっ面よ。どうかしたの？』

居間で椅子に座って考え込んでいた私

その向かいの席におばあちゃんがこしかけ、私を心配そうに見る

「うん……あのね、海で男の子にあったの。私と同い年の。仲良くなったんだけど、話してる途中、その子が時々悲しそうな顔で遠くを見つめてるんだよね」

「別れ際も泣きそうな笑顔で…まるで誰かを想ってるような……その子の切なくて儚い表情が、頭から離れなくて」

この話を聞いて、おばあちゃんは難しい表情をしていた

『その子の過去に悲しいことがあったんだね。今でも思い出すと泣きそうなほど、悲しいことが。その子はとても大切な人を失くしたのかもしれない。私もそんな時があったから、なんとなくそう思うよ。ねぇ、Aはその子のことをどう思ってるの？』

私…私は……

「出会ったばっかだし、まだ何にもスニョンのこと知らないけど、大切な友達だって思う。泣いてる顔とか辛そうな顔なんて見たくない……笑っていて欲しい。幸せでいて欲しい」

これは心からの私の願い