overflowing with kindness#2 (ページ27)

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廉side

突然、現れた弟さんと吉沢くんに驚きが隠せていない

Aさんの隣に立つと俺はAさんに頭を下げた

『すみません』

A「何が？」

涙を拭いながら俺に問いかけた

『俺、実は今日吉沢くんからAさんの話聞いてて
　その時の吉沢くんの言葉が忘れられんくて途中から吉沢くんに電話繋いでました。』

そう言いながらポケットの中で繋いだままだったスマホを見せた

もう一度、謝ろうとしたときやった

弟「俺は店の近くに用事あって、Aねぇに会ってこうかなって店に来たら
　そしたら……」

言葉を詰まらせて吉沢くんを伺うように呟いた弟さんを

亮「やめろ」

吉沢くんが遮って言った

そんな二人に問いかけるように

A「何？なんなの？」

Aさんがきくと

弟「泣きながら電話してる亮兄がいて
　声かけた時に離れた電話からAねぇの声が聴こえて
　誤解を解くなら今しかないって」

A「誤解ってなに？
　私の知らないことがあるの？」

亮「なにもない、Aが思ってる通り
　俺は芸能人になって、変なゴシップに付きまとわれるのがうざくなって家から出てった
　親の葬式にも現れない最低なやつなんだよ」

なんで、そんな思ってもないこと

『吉沢くん、俺に言ってたやないですか』

亮「頼む、なにも言わないでくれ」

A「なにを？」

『こんな形でしか守れなかったて』

A「どういうこと、亮兄？」

弟「亮兄、」

A「教えてよ」

妹、弟からの呼び掛けに

亮「俺が家を出たのは父さんと約束したからなんだ」

そこから話し出した吉沢くんの話は

家族を守りたかった

妹を守りたかった

不器用なお父さんと吉沢くんの

愛と呼べる守り方だった