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廉side
弓削さんから受け取った週刊誌を読みながら
耳を傾けていたAさんの言葉の意味と
合致する記事に目がいって
”吉沢が足しげく通うカフェの店員は妹！
しかし、血の繋がりはないという情報を入手”
”血の繋がりがない兄弟
見つめ合い笑顔を交えながら
話す姿はお互い思いあっている様子
この禁断の愛の行方は！？”
少し、怒りを含んだ俺に冷静に答えてくれた時
何かを言おうとしたAさんを遮った弓削さんに
下手くそに笑って誤魔化したAさんに
『何があったんですか？』
俺も問いかけると
A「私と両親への誹謗中傷が始まったんです」
観念したようにAさんは呟いた
Aさんは少しの間を開けてまた言葉を紡いだ
A「私には似てないこと、そしてこの記事から私への誹謗中傷が始まって学校でも回りから距離を置かれるようになりました。」
『そんな』
A「両親へも父が違うなんてデマで母の浮気を近所から言われるようになった」
Aさんの言葉に週刊誌の発売日に目がいくと
それは、今ほど誹謗中傷に声をあげる人がいない年で
今やったらなんて考えると返す言葉が見つからんかった
A「周りから向けられる目は冷たくも、気にしていませんでした。同様に亮兄も仕事は増えていったこんなゴシップ煙のようにすぐ消えるって笑って話してました。だけど、今度は仕事が増え店に訪れなくなった亮兄と両親が不仲と書かれるようになりました」
Aさんの言葉に弓削さんも見ていなかったもう1つの週刊誌を開いた
”仕事は順調、家族とは疎遠
人気俳優の家族事情”
”妹との仲を咎められ
帰る場所をなくしてしまったのか？”
『これも、同じ人』
記事の最後に書かれている名前に
A「はい」
俺に相槌を打つ形で返事をしてくれたAさん
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作者名：gmatf | 作成日時：2023年10月2日 21時
