あの子は痛々しい【ヒロアカ】 (ページ3)

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2話ページ3

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私は、直したい癖があった。

それはどんな時でも笑ってしまうことだ。

悲しくても苦しくても楽しくても面白くても、口角が上がってしまうのだ。

そんな私を見て、お茶子ちゃんが言ったんだ。

｢なんで、笑ってるん？そんなに桜ちゃんが傷ついてるのを見て面白い？そんなの……ヒーローちゃうよ｣

ヒーローじゃないって？

そもそも私はそんなことしてないんだって

笑っちゃうのは苦しいのを紛らわすために笑ってるんだ！

それにつられるように色んな人が声を上げる。

｢軽蔑した｣

｢同じヒーロー志望として恥ずかしい｣

｢ヒーローってよりも、ヴィランじゃん｣

｢相澤先生を連れて来たぞ！｣

クラスの学級委員である飯田くんが入口から大きな声で言う。

ああ良かった。

これで安心だ。

相澤先生が眉をひそめて教室へ足を踏み入れる。

『先生！よかった……あの、月乃さんが……！』

｢A｣

静かに怒りを込めた声が降りかかる。

え？

相澤先生は私を拘束具で拘束した。

｢……話は後で聞く。とりあえず謝れ｣

え？

なんで

いや、おかしいって

｢っ先生……私怖いです……！｣

｢……はぁ、A、行くぞ｣

先生は私を拘束具で締め付けながら進み出した。

けれどその痛みよりも、みんなのあの鋭いナイフような冷たい目線の方が何倍も痛かった。