0箱目 ページ1
とある新月の夜、一人の色の白い少女が真っ暗な廊下を、短く切り揃えられた黒髪を揺らして走っていく
息をきらし、大きな真っ黒い瞳に涙をいっぱいにためて走っていく。
必死に、何かから逃げるように…
少女はみてしまったのだ、今日まで一緒に楽しく遊んでいた優しくて、大好きなお姉さまが、明日からは外の教会で暮らしていくのだと、嬉しそうに語っていたお姉さま達が…
真っ白な箱に入れられてぼろぼろの幽霊船に乗せられ――――
人の姿をした怪物に食べらているところを――
少女は特別なことなんて何もしていなかった、
ただ大好きなお姉さま達が居なくなってしまうことが
どうしても悲しくて悲しくてしかたなくて、最後にどうしてもお姉さまに会いたくて、会いたくてしかたなくて――
一人で部屋を抜け出してしまっただけだったのだ、
でも、廊下が真っ暗で、いつもの教会とは全然違って見えて、やっと見つけた光のなかではお姉さま達が箱に入れられていて、ちょっとの恐怖と好奇心がまざりあって――
思わず覗き込んでしまったのである。
もし、少女が部屋を抜け出さなければ？別の部屋にたどり着けていれば？その光景を見た時点で逃げ出していたら？
――きっと怪物に食べられるお姉さま達なんて、見ることは無かっただろう
が、しかし少女はみてしまった
好奇心と、タイミングが良かったのであろう。
ただ、それだけのことである。
なんて、不幸な少女なのだろう
しかも、可哀想なことに彼女は他の子よりも少しだけ嘘が上手く、察しの良い子供だったので、翌日お義母さま達が私達に向けている笑顔が、嘘だとなんとなく察してしまえたのである。
―私達は、怪物に食べられるために生きている―
そう気付いてしまったのだ
がしかしこの少女、他の子よりも少し…いやかなりおかしな方向にポジティブだったので―――
「どうせ食べられるのなら、ものすごくおいしくなってやろうじゃない！！！！」
とおかしな方向に努力しようとしたのである
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作者 - こちらの確認不足でした。ご指摘いただき、ありがとうございます。直させていただきました。 (2018年11月13日 9時) (
レス) id: c64f199f8b (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作品を作る前にルールをしっかりご確認下さい。オリジナルフラグをちゃんと外して下さい (2018年10月21日 7時) (レス) id: 42d0f44e81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めめめ | 作成日時：2018年10月21日 3時
