検索窓
今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:504 hit

6 ページ6

.





『連れていかないでください…お願い、神様…お願いだよ…っなんで、なんで私が…』















なんで私が夢主なんだ。










その時、母は振り絞るように、呟いた。



















「だい、じょ、うぶよ…だぁいじょ、う…ぶ…」



















それっきり、母はぴくりとも動かなくなった。
ただ、透明な雫が頬を伝っていた。





その言葉が、なにかの呪いのように聞こえた。





「ゥウ"アア"アア"ア…!!!」







お父さんは、ようやく私に気づいたようで、一心不乱に私に駆けてくる。





ごめんね、お父さん。





私が、私じゃなければ。





こんな未来は来なかったかもしれないのにね。










『ごめんね』










私は、こちらに走ってくる鱗滝さんを横目に、私の首元を狙っている父に抱きついた。

がぶりと、肩を噛まれる。

えもいえない激痛が襲いかかる。





そんな"鬼"を鱗滝さんは水の呼吸で流れるように首を切り落とした。







灰となって消えていく父の体を、服だけになっても抱きしめていた。









「…っキャァァァァァ」





家の前に立ち尽くす近所の女の子が、この惨劇を見て悲鳴をこぼす。




そして、言ったんだ。









「ッ化け物!!化け物!!
家族を、そ、そんな惨たらしくッ化け物!!」










化け物。










月の光が我が家を照らして、壊された鏡がこちらをうつしだしていた。


頬に血をびったりと付けたその姿は、









化け物そのものだった。

7→←5



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (1 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ところどころどくろ | 作成日時:2023年4月21日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。