オキュラス・レパロ！ ページ9
ハリーとロンに申し訳なく思いつつ、Aは暴れるエルラを撫でてから落ち着かせようと抵抗されながらも何とか鳥籠に入れ布を被せた。
疑問だった。普段はとっても賢くて思慮深いエルラがどうしてこんなに暴れたのか。
Aの思う通り、混乱しただけなのか──未だに鳥籠の格子があるのにも関わらず突進し騒ぐエルラの音や声にビクビクと震えながらロンのポケットの中に隠れようとするスキャバーズをAは思わず見つめてしまっているとロンは取り直すようにごほんと咳き込んでから口を開いた。
「昨日、少しは面白く……いいやマシにしてやろうと思って、コイツを黄色に変えようとしたんだけどさ兄貴たちに教わった呪文は効かなかったんだ。やって見せるよ、二人とも見てて」
ロンはそう言い、溜め息をつきながら杖を構えた。
と、またもやコンパートメントのドアが開き、ふわふわと巻いた栗毛で、勝気な表情をした女の子が入ってきた。
「ねぇ、ネビルのヒキガエルを見なかった？ 彼のヒキガエル、いなくなったのよ」
「見なかったってさっき、本人に伝えたよ」
ロンの答えに「へぇ」と片眉を上げた女の子は、ズカズカとコンパートメントに入るとAの隣──空いていた席にドスンと座った。栗色の瞳はロンの杖に釘付けになって、Aのことなんて見えてはいなかった。
「な、何だよ……君」
「あなた、今魔法をかけるところだったんでしょう？ 私にもお見せ願えるかしら？」
迷ったようにロンは眉を下げ、渋々頷いた。
「アー……ウン、いいよ。じゃあ……おひさま、ヒナギク、とろけたバター、デブで間抜けなネズミを黄色に変えよ！」
ビュッと杖を一振。だけれど、皆の期待とは裏腹に、スキャバーズが黄色に変わることは無かった。
「ねぇちょっと、その呪文、間違ってない？ 全然効かないみたいね。私は簡単な呪文しか試したこと無いけど、ちゃぁんと効いたわよ」
スキャバーズを見て眉を寄せたハーマイオニーは杖を取り出すと自信満々に口を開く。
「例えばこれ。
「ロン・ウィーズリーさ」
不貞腐れたロンに続き、Aも名乗るとハーマイオニーは目を瞠った。
「嘘……あなた……ヴィトグレーデ家なの?!」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 129人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
つき(プロフ) - あさん» そのように認めてくださって感謝します。あんな形ではありましたが別サイトに私の小説を読んでくれている人がいると知れて嬉しかったです。今後このようなことがないよう気をつけていただければと思います。これからもご愛読いただけると嬉しいです (2月8日 18時) (
レス) id: 7cdc86589a (このIDを非表示/違反報告)
あ - 先程別サイトの方を消させていただきました。勝手な無断転載をしてしまったことを深く反省しています。本当に申し訳ありません。 (2月8日 18時) (レス) @page21 id: 60a5994a82 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：つき | 作成日時：2023年8月14日 9時
