オキュラス・レパロ！ ページ8
蛙チョコレートを開封するハリーとロンの雑談を聞きながらAが昼食を食べているとまたコンパートメントの扉が開いた。
何かと見れば、林檎のように頬を真っ赤に染めた丸々とした男の子が泣き出しそうな表情で訊いてきた。
「ご、ごめんね……っ僕のヒキガエルを見かけなかった？ 目を離した隙にいなくなっちゃったんだ、」
「アー……悪いけどヒキガエルなんて見なかったよ」
絶望する男の子にAはそっと優しく声をかけた。
「泣かないで。きっとすぐに見つかるから、大丈夫」
「うん………励ましてくれてありがとう……」
眉を八の字のしてトボトボと去っていく男の子を見ていると、ロンの呆れたような囁き声が聞こえた。
「……全くどうしてそんなこと気にするのかなぁ。僕がヒキガエルなんか持ってたら、なるべく早くなくしちゃいたいけどな。もっとも、僕だってこんなデブネズミ……スキャバーズを持ってきたんだから人のことは言えないけどさ」
そう忌々しげに言うロンの膝でスヤスヤと安らかに眠るスキャバーズをAが思わず見つめていると声が聞こえた。
「ずっと思ってたんだけど、それ、オウムなの？」
ハリーはエルラを見て訊いてくる。
「ええ……ソロモンオウムのエルラよ。幼い頃、話し相手に父が買ってくれたの。それからはずっと、一緒にいる子なんだけど家に置いて行けなくて連れてきたのよ。父から管理が出来れば持ってきて良いと聞いたから」
何だか先程から落ち着かない様子のエルラを安心させるように撫でて言った。
「真っ白で綺麗な鳥だね……僕のスキャバーズとは大違いだよ」
Aに「見てくれよ、コイツのこの間抜け面」とスキャバーズを持ち上げて近付けたとき、エルラが雄叫びを上げながらバサッと羽を広げた。……まるでスキャバーズを攻撃するように。
「ウワッ、ど、どうしたんだよっ？！ 君の鳥……！」
ロンは慌てて、スキャバーズを庇うように手を引っ込めた。
「ご、ごめんなさい。驚かせてしまって……慣れないところを連れ回されて気が立ってるみたい」
そう言った同時にエルラが、「これは危険、これは危険ー！」と声を上げてバタバタし始めた。
こんなこと初めてでAは目を疑ってしまう。
「……危険って僕らのことかな？」
「ご、ごめんなさい。すぐに静かにさせるわ……！」
慌てるAにハリーは優しく声をかけた。
「大丈夫だよ、僕らは平気だから慌てないで」
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つき(プロフ) - あさん» そのように認めてくださって感謝します。あんな形ではありましたが別サイトに私の小説を読んでくれている人がいると知れて嬉しかったです。今後このようなことがないよう気をつけていただければと思います。これからもご愛読いただけると嬉しいです (2月8日 18時) (
レス) id: 7cdc86589a (このIDを非表示/違反報告)
あ - 先程別サイトの方を消させていただきました。勝手な無断転載をしてしまったことを深く反省しています。本当に申し訳ありません。 (2月8日 18時) (レス) @page21 id: 60a5994a82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つき | 作成日時：2023年8月14日 9時
