ハロウィーンの騒ぎ ページ48
「うわぁああっ！」
トロールがハリーを振り回すが、その拍子にハリーの杖がトロールの鼻に突き刺さる。いつの間にAを庇うように青ざめたハーマイオニーとロンがいた。
「ロン、ビューン・ヒョイよ！」
そして、ロンは顔を強張らせながらも杖を構えて高く叫んだ。
「
トロールの棍棒が空中に浮き上がった。そして、途端に嫌な音を立ててトロールの頭に落ちる。棍棒が頭に落ちたトロールは、衝撃に目を回して後方へ倒れた。
低い音と振動が響き、あたりは静まり返った。トロールはハリーとロンのおかげで完全に気を失っている。
全員、それを見てほっと胸を撫で下ろす。ハーマイオニーはAを見て息を呑んだ。
「……A、」
Aは泣いていた。ぽた、ぽたと涙を溢す雪空の瞳が、可哀想に揺れている。けれど、皆に見られる前にAは乱暴に目元を拭っていつものように笑顔を浮かべた。
「バーマイオニーが、ぶじで……よがったわ！」
その言葉にハーマイオニーは泣きじゃくりながらAを抱き寄せ叱った。
どうして突き飛ばしたの！ どうしてどうして！ 自分を平気で犠牲とするの！
「だいじょうぶだよ、わたしは、」
──本当は、死ぬかと思った。怖かった。
恐怖で声を出すのもやっとで、Aは絞り出せたとても小さな声でハリーとロンにありがとう、と言った。
ハリーはトロールの顔の前でしゃがんで杖を引っ張り出すと、灰色のベトベトしたものがついていた。
「うぇー、トロールの鼻くそだ」
ハリーがそれを拭き取っていると、バタバタという足音と共に教師たちが現れた。
「いったいあなた方はどういうおつもりなのですか！？」
現れた真っ赤になったマクゴナガルだった。その隣にはスネイプもおり、そして最後に入ってきたクィレルはノックアウトしたトロールの顔を覗き込んで小さく悲鳴をあげた。
Aは不満げにこちらを見るスネイプの姿に傍にいたハリーの手を握る。ハリーも驚きながら顔を赤くして力強く握り返した。
「どういうことなんですか、説明なさい！」
──「私のせいなんです、先生」
ハーマイオニーが口を開いた瞬間、「なんですって」とマクゴナガルは眉を寄せた。
ハーマイオニー・グレンジャーがその若さで数多くの知識を所有しており、非常に賢いということはマクゴナガルもよく知っていた。だからこその衝撃だった。
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つき(プロフ) - あさん» そのように認めてくださって感謝します。あんな形ではありましたが別サイトに私の小説を読んでくれている人がいると知れて嬉しかったです。今後このようなことがないよう気をつけていただければと思います。これからもご愛読いただけると嬉しいです (2月8日 18時) (
レス) id: 7cdc86589a (このIDを非表示/違反報告)
あ - 先程別サイトの方を消させていただきました。勝手な無断転載をしてしまったことを深く反省しています。本当に申し訳ありません。 (2月8日 18時) (レス) @page21 id: 60a5994a82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つき | 作成日時：2023年8月14日 9時
