杞憂であればいい ページ45
ダフネの眼差しまで好奇に満ちていた。頬を真っ赤にして興味津々としているが彼女の思う通りの答えはAは持ち合わせていない。
セオドールはニコニコと表情を崩さなくとも、今にも双子を殺しそうな黒々とした目で見ている。
「「さぁA、答えて！」」
急かすように言う彼らにAはため息を吐いて居心地の悪い空間を早く抜け出したい一心ですぐに答えた。
「ええ好きよ。ハリーのことは」
ダフネが肘で小突いてくる。違うから、ニヤケないで。目の前の双子が信じられないという顔で口笛を吹く様子を冷めた目で見てAはため息を吐いて続けた。
「好きって訊かれれば好きに決まってるじゃない。だって友達だもの、嫌いなわけないでしょう？」
その言葉に冷えた空気の居心地の悪さが和らいだ気がした。
息を吹き返すように安堵の表情を露わにして笑い始める生徒たちをセオドールは睨みつけた。
「号外だ！ ホグワーツ一の美少女に想い人はまだいない！ ホグワーツの全男子が泣いて喜ぶぜ！」
「そうと決まればお祝いの悪戯でも行くか！ 機会があればAも一緒に遊ぼうな、じゃあまた！！」
カラカラと大きく笑ってどこかに行く双子の姿にAは呆然とした。
一体なんだったんだろうか。落ち着きも掴みどころも無い双子に困惑していると隣のダフネはガッカリしたように口を尖らせている。
会ってそんなに経たないのに恋愛的な意味で好きになるなんて有り得ない。
「さっきの二人は知り合い？」
強張った声だった。セオドールはム、と唇を結びながら、Aの肩を虫を払うように触れていた。
「そうみたい」
知り合いよりは知ってると思うわ、とロンから聞かされたあの二人の最悪なイタズラ話を思い出しながら言った。
「…………へえ」
ダフネはセオドールの反応を息止めて観察していた。
まるで自分はいないですと言うように離れるダフネにAは助けを求めたくなる。
不機嫌なセオドールは得意じゃない。柔らかく微笑むセオドールがAは大好きなのだ。
「で、言いたいことはなぁに？」
「別に何も無いよ」
ツンとセオドールは返す。機嫌は簡単に直ってくれそうにない。
「………じゃあ今、肩を払ってるのは？」
「虫が見えたから」
「あっ、そう」
「あの二人は虫じゃないわよ」と言いそうになった口をAはセオドールの嫌そうに歪んだ顔を見て渋々噤んだ。
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つき(プロフ) - あさん» そのように認めてくださって感謝します。あんな形ではありましたが別サイトに私の小説を読んでくれている人がいると知れて嬉しかったです。今後このようなことがないよう気をつけていただければと思います。これからもご愛読いただけると嬉しいです (2月8日 18時) (
レス) id: 7cdc86589a (このIDを非表示/違反報告)
あ - 先程別サイトの方を消させていただきました。勝手な無断転載をしてしまったことを深く反省しています。本当に申し訳ありません。 (2月8日 18時) (レス) @page21 id: 60a5994a82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つき | 作成日時：2023年8月14日 9時
