杞憂であればいい ページ44
「………あのさ、ハーマイオニーから聞いた？」
勉強会を終え図書館からそれぞれのクラスへ向かう途中、ハリーとロンはAの隣に来て小声で話しかけてきた。
「何を……かしら？」
彼らの苦い顔にわざととぼける。ハーマイオニーにも非があることは十分だがハリーとロンも大概だ。
二人は顔を見合わせて説教でもされると思ったのか言い訳がましく口ごもる。
「つい、口を滑ったというか──大体アイ……いやハーマイオニーも悪いんだぜ。僕たちに毎日毎日小うるさく……」
「そうだよ。規則がどうちゃらってガミガミ言ってきて……なのに僕らの後を引っ付いてくるんだ！」
口を尖らせる二人にAはおもむろにため息を吐いた。怒鳴る気力すら湧かない。
鈍感でおバカな二人に怒りを通り過ぎて呆れを覚えているのだ。
「……けれど、ハーマイオニーがあなたたちを傷付けるような言葉を言ったことはあるかしら？」
ハリーとロンはハッと目を見開き口を噤んだ。
「彼女はあなたたちを想って言ったの。それだけは否定しないであげて」
一纏めにした白銀の髪をふわりと舞う。
・
「──ハァイ、スリザリンのお姫様！ ご機嫌はどうだい？」
Aはニュっとその全く同じ顔が二つ飛び出してきた光景に驚きもせず「お久しぶり、ロンの双子のお兄さま方」と言う。
面倒臭く思いながらも笑みを貼り付けて応答する。
「風の噂で聞いたんだが……マルフォイのお坊ちゃまとやり合ったって」
「あらそう。人の口に戸は立てられないものよね」
道を塞ぐ双子を通り過ぎようとするAの肩を慌てて双子は揃って掴んだ。
「待て待て待て……もう一つ聞いた。ハリーとうちのロニー坊やを庇ってくれたってな」
ありがとよ、とぐしゃぐしゃと掻き回すように頭を撫でてくる。
最悪。不機嫌に二つの顔を見上げているとニヤッと双子の顔は企み顔に変わった。
「して、本題はこっからになる」
タダならぬ切り出し方だった。
「ハリーのことを好きだと言ったと聞いたんだが……あぁ大丈夫、ロニーちゃんの口封じもグレンジャーと済んでいる……だから本人の耳には届いていないはずだ」
Aはなんだそんなことかと半目になった。
「全校生徒が気になっていることだ、正直に答えてくれ！」
居合わせた生徒の視線が集まるのを感じる。
「──ハリーのこと、本当の本当に、好きなのか？？！」
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つき(プロフ) - あさん» そのように認めてくださって感謝します。あんな形ではありましたが別サイトに私の小説を読んでくれている人がいると知れて嬉しかったです。今後このようなことがないよう気をつけていただければと思います。これからもご愛読いただけると嬉しいです (2月8日 18時) (
レス) id: 7cdc86589a (このIDを非表示/違反報告)
あ - 先程別サイトの方を消させていただきました。勝手な無断転載をしてしまったことを深く反省しています。本当に申し訳ありません。 (2月8日 18時) (レス) @page21 id: 60a5994a82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つき | 作成日時：2023年8月14日 9時
