杞憂であればいい ページ42
A・ヴィトグレーデとドラコ・マルフォイは顔を合わせることも嫌った。廊下ですれ違う度に、談話室で鉢合わせる度にどちらかが舌打ちをするか、物凄い形相で互いを睨んだ。
そしていつも居合わせた同級生はハラハラしながら二人の様子を見守るのであった。
──「全く通行の邪魔だね、全くグリフィンドールの連中は廊下もまともに歩けないのか」
ドラコは鬱憤を晴らすようにハリーたちに突っかかっていた。
彼の取り巻きたちはそれを止めることなく全くその通りだと言うように同調して嗤っていた。
「マルフォイ、そっちを通ればいいだろ！」
「嫌だね。なぜ僕がわざわざそんなことをしなければならないんだ、道を塞ぐ君が退けよポッター」
憤慨するハリーにドラコは片眉を上げて、嘲笑を浮かべた。
「マルフォイ、ホグワーツはみーんな君のものか？」
「貧乏ウィーズリーのくせにこの僕に話しかけてくるな」
廊下で口論する集団に周りの生徒は呆れたような眼差しを向ける。
そんな中、ドラコとその取り巻きは変わらずハリーたちを罵倒し嗤っていたが、彼らの顔に浮かんだ笑みは聞き覚えのある氷のように冷たい声によってかき消された。
──「あなたが邪魔よ」
その声を聞いた瞬間、ドラコはすぐさま振り返った。
「またお前か……」
傲慢な顔つきの女、A・ヴィトグレーデがすぐ近くに立っていた。
そして自分を嫌悪感と軽蔑の混じった鋭い眼差しで睨んでいた。
ドラコはAのこの冷酷な目つきが大嫌いだった。
「人のことを言う前に、あなたが退いたらどう？」
緊張感が漂う。ハリーとロンだけでなく周りの見物人、さらには後ろに構えるセオドールとダフネ、ドラコの取り巻きまでがドラコとAのことを見ている。
張り詰めた空気の中、沈黙を破ったのはAの方だった。
「邪魔なのはあなたよ。早く退いて」
「……おい、そっちを通ればいいだろ」
「なぜ私がわざわざそんなことをしなければならないのよ」
ドラコが言ったことと全く一緒だった。それに真っ先に気付いたダフネは吹き出しそうになる。
「ねえマルフォイ、その目は何？」
何も返す言葉の見つからないドラコを見下ろす。
「文句でもあるの？ 退くのは道を塞ぐ方だって先程、あなたがはっきりそう言ったじゃないの。ここで忘れたなんて私、優しくないから言わせないわよ」
容赦ない追撃にドラコは顔を真っ赤にして歯を食いしばった。見物人たちの間で密かな笑いが起こった。
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つき(プロフ) - あさん» そのように認めてくださって感謝します。あんな形ではありましたが別サイトに私の小説を読んでくれている人がいると知れて嬉しかったです。今後このようなことがないよう気をつけていただければと思います。これからもご愛読いただけると嬉しいです (2月8日 18時) (
レス) id: 7cdc86589a (このIDを非表示/違反報告)
あ - 先程別サイトの方を消させていただきました。勝手な無断転載をしてしまったことを深く反省しています。本当に申し訳ありません。 (2月8日 18時) (レス) @page21 id: 60a5994a82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つき | 作成日時：2023年8月14日 9時
