杞憂であればいい ページ41
翌日、昼食を終えAたちが休み時間の間、暇を持て余していると、
「──聞いてよ！ A……！」
ハーマイオニーが顔を真っ赤にしてやってきた。
「ハリーとロンったら得意げなのよ！ マクゴナガル先生からニンバス2000だとか言う箒を貰ってグリフィンドール寮では毎日のように自慢してるわ！ 規則を破ってご褒美を得たと思ってるのよ！ 全くマクゴナガル先生もどうかしてるわ！！ そう思わない？！」
一気に捲し立てるハーマイオニーにセオドールとダフネは目を丸くしてしまう。
廊下に居合わせた生徒たちの視線が集まるのを感じてAは慌てたハーマイオニーの手を制止するように取った。
「は、ハーマイオニー、一回落ち着いて。ここは廊下で立ち話は規則に反するし……中庭に行きましょう？」
「あ──えぇ……ごめんなさい。私、ずっと一人で考えてて誰も私の話なんて聞いてくれなくて……」
どうして一人なの？と小首を傾げるAを見て榛の瞳に涙が浮かんだ。
「時間が来たら、先にクラスに行っててもらえるかしら」
セオドールとダフネは頷き、Aはハーマイオニーに寄り添って歩き出した。
・
「……それで、ハリーとロンとは仲違いしてしまったのね？」
すすり泣きながら小さく頷くハーマイオニーの頭をあやすように撫でながらAは言葉を選びつつ口を開く。
「ハーマイオニーは二人が心配で言ったんでしょう？ これで二人が味をしめて規則を破ることに躊躇しなくなったら、次は退学もあるかもしれないって……でも強く言い過ぎてしまったらその気持ちは彼らには伝わらないわ」
残念なことに彼らは鈍感だから、とぎゅっと手を握ればハーマイオニーは顔を上げた。
「大丈夫。仲直りは簡単に出来るわよ、だから泣かないで」
抱き締め合って互いの顔を見つめ合う。涙で濡れたハーマイオニーの顔を拭って口を開いた。
「可愛い。ハーマイオニーはやっぱり笑顔の方が良いわ」
Aにつられるようにハーマイオニーもゆるりと微笑んだ。
「話を聞いてくれてありがとう」
「ううん。いつでも頼ってね」
やだもう行かなくちゃ！また連絡するわ、と小走りで駆けていくハーマイオニーの後ろ姿に息を吐いてAは考える。
何か起こらなければいいけれど、と悪い予感に被りを振って歩き出した。
しかし、退学処分になり得る規則破りをこんなに犯すなんてハリーは凄いなとAは一人、呪文学のクラスに向かいながら苦笑を漏らした。
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つき(プロフ) - あさん» そのように認めてくださって感謝します。あんな形ではありましたが別サイトに私の小説を読んでくれている人がいると知れて嬉しかったです。今後このようなことがないよう気をつけていただければと思います。これからもご愛読いただけると嬉しいです (2月8日 18時) (
レス) id: 7cdc86589a (このIDを非表示/違反報告)
あ - 先程別サイトの方を消させていただきました。勝手な無断転載をしてしまったことを深く反省しています。本当に申し訳ありません。 (2月8日 18時) (レス) @page21 id: 60a5994a82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つき | 作成日時：2023年8月14日 9時
