蛇寮の異端者 ページ34
数日の間にスリザリンのA・ヴィトグレーデがスネイプを言い負かしたと言う話は学校中に広がり、知らない生徒から廊下で必ずと言っていいほど話しかけられるほどになった。
廊下を歩けばグリフィンドール生からハイタッチを求められ、ハッフルパフ生と満面の笑顔で挨拶され、参考書をくれるレイブンクロー生までいたのだ。
仲間意識の強いスリザリンからは裏切り者扱いの一方、他寮生からはまるでヒーローのように崇められた。Aが大広間へ歩いていくと、いつものように白い目で見られた。
「ヴィトグレーデなのに血を裏切る者」
「グリフィンドールのマグル生まれに点を与えた」
そんな言葉にAは絶対零度の雰囲気で一蹴し朝食を取りに行こうとすると声がかかった。
「ねえA、この後一緒に図書館に行かない？ 魔法薬学のレポートを終わらせましょうよ」
Aは振り返った。が、周りをキョロキョロと見渡すAにダフネは思わず吹き出した。
「もうあなたよ、あなた。あなた以外にAってどこにいるの？」
「それはわかっているけれど、本当にこのまま私といてもいいの？」
「どうして？ 魔法薬の授業を言ってるならあなたは正しいことをしたじゃないの。咎めるところなんて無いし、私はあれを見て あなたともっと仲良くなりたいと思ったのだけれど」
パンジーたちとは話が合わなくて気まずくて、とダフネは肩を竦める。パンジーの皮肉やほかのスリザリン生の冷笑を思い出すが、優しいダフネの眼差しによってそれに勝る暖かな気持ちが込み上げてくるのを感じた。
「私のことは心配しないでいいから、さぁ早く行きましょう」
ダフネはふんわりと花咲くように微笑んでAの手を取ると、軽やかに歩き出すが呼び止める声が彼女たちの背中を叩いた。
「僕は仲間外れかい？ なあグリーングラス、抜け駆けは良くないと思うけど」
案の定、にっこりと微笑むセオドール。こちらを見る目には無論捨てられそうな子犬を彷彿させる健気な可愛さがある。
「もうノットくんたら人聞きの悪いことを言わないでよ。抜け駆けじゃないわよ」
「そうなら僕も一緒に図書館行きたい」
「女の子同士積もる話もあるから遠慮してくれると、とても嬉しいわ」
「知らないの？ 図書館では私語禁止なんだよグリーングラス」
あーだこーだ喧嘩する二人をAは抱き締めた。温もりに冷えた心が溶かされる。二人がいてくれればAは何が起きても何だか無敵な気がした。
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つき(プロフ) - あさん» そのように認めてくださって感謝します。あんな形ではありましたが別サイトに私の小説を読んでくれている人がいると知れて嬉しかったです。今後このようなことがないよう気をつけていただければと思います。これからもご愛読いただけると嬉しいです (2月8日 18時) (
レス) id: 7cdc86589a (このIDを非表示/違反報告)
あ - 先程別サイトの方を消させていただきました。勝手な無断転載をしてしまったことを深く反省しています。本当に申し訳ありません。 (2月8日 18時) (レス) @page21 id: 60a5994a82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つき | 作成日時：2023年8月14日 9時
