白き令嬢のお友達 ページ32
「嫌味にしか聞こえないわ。こんなことしなくたってノットくんは眠らなかったわよね、一体どうして？」
ダフネが口を尖らせつつセオドールに話しかけた。
「起床時間ギリギリまで寝たからかな？」
「本当にそれだけかしら？ ノットくんが凄く羨ましいのだけれど」
にこにこと微笑むセオドールにダフネは溜め息を吐いた。
「これから魔法史ではずっとこうしないといけないだなんて……ゾッとしてくるわ」
三人で話しながら大広間に入る。そのときにはすっかり授業のことなど頭から抜け落ちていた。Aたちの興味は夕食に向いていた。
「やっぱりホグワーツのご飯って美味しいわね……！」
嬉しそうに微笑むダフネを見てAもトライフルを頬張った。
「君って本当に美味しそうに食べるね、Aを見ているだけで幸せな気持ちになるよ」
セオドールに目を瞬いて、ごくんと飲み込んだ。ありがとう、と微笑んでいるとセオドールは不意にAの顔に手を伸ばしてきた。
「ついてるよ」
Aは恥ずかしくなって口元を抑えながらセオドールに礼を告げる。そんな様子にダフネはAに抱きついた。
「本当に甘いものが好きなのね。可愛いから私の糖蜜パイもあげちゃうわ！」
「わぁ、ありがとう！」
ふふと笑い合っていると不意に不機嫌な曇天の瞳とかち合った。
「っ、」
目が合った瞬間、ドラコはすぐに目をパッと逸らした。
その後、誤魔化すように向かいのグラッブに手を伸ばし持ったナプキンで乱暴に口許を拭く。
Aは首を少し傾げてからダフネからもらった糖蜜パイを食べ始めた。
・
「あら、どこに行くの？」
セオドールとダフネが同時に顔を上げた。本を閉じ、席を立ち上がったAは少し眉を顰めて言う。
「スネイプ教授の研究室。罰則を受けにね」
その返答に二人は、顔を見合わせて心配げな眼差しを向けたが、会話を聞いていたスリザリン生たちはヒソヒソくすくすと何かを囁いては嗤った。
セオドールは眉を吊り上げつつ彼らを睨み、ダフネはそれを見つつ口を開いた。
「……頑張ってね。帰りを待ってるわ」
「ううん。遅かったら先に寝てて、明日も早いわ」
ダフネはその言葉に頷き、談話室に残った二人は出ていく小さな背中を見つめた。
──「入れ」
案の定、Aの大嫌いなスネイプが無愛想に待ち構えていた。
「五分遅刻だな。Ms.ヴィトグレーデ」
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つき(プロフ) - あさん» そのように認めてくださって感謝します。あんな形ではありましたが別サイトに私の小説を読んでくれている人がいると知れて嬉しかったです。今後このようなことがないよう気をつけていただければと思います。これからもご愛読いただけると嬉しいです (2月8日 18時) (
レス) id: 7cdc86589a (このIDを非表示/違反報告)
あ - 先程別サイトの方を消させていただきました。勝手な無断転載をしてしまったことを深く反省しています。本当に申し訳ありません。 (2月8日 18時) (レス) @page21 id: 60a5994a82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つき | 作成日時：2023年8月14日 9時
