白き令嬢のお友達 ページ31
「セオドール！」
視界の端に見えたセオドールはいつものように笑っていなかった。
「……またお前か、ノット」
ザビニは面倒臭そうに声を出した。
「嫌がっているのがわからないのか？」
「ハッ、お前なんかの指図は受けないね」
ザビ二はAの肩に手を回し、セオドールに向かって意地悪くニヤリと笑おうと口角を上げようとしたときセオドールが、その手をぴしゃりと叩いた。
「てめ……よくもこの俺に手を出したな！」
「……黙れ。一度で聞かないからだ、早く失せろ」
キッと黒瞳を向けるセオドールに気圧されたようで、ザビニは捨て台詞を吐き教室のほうへ走っていった。
「平気？ 助けるのが遅くなってごめん、」
ザビニのいた隣に、セオドールがやって来た。安心する雰囲気に胸を撫で下ろしながら、セオドールの言葉に被りを振る。
「謝らないで。セオドールが来てくれて安心したわ」
セオドールは眉を下げ柔らかく微笑んだ。優しい顔つきにAはつられて微笑んだ。
「私にとって嬉しいけれどあなたは私といない方が……」
セオドールは立ち止まりAを見た。Aよりも背が高く歩幅も大きいけれどAの歩く速さに合わせてくれているようだった。
「Aのこと、迷惑だとも面倒だとも思ってないよ。むしろ……君と一緒にいたいからいるんだ」
Aがその言葉に目を瞬いた。その反応にセオドールは照れたように笑うと「た、多分グリーングラスも」と付け足す。
「ありがとう。そう言ってくれて嬉しいわ」
微笑むAにセオドールは目を細めた。談笑しながら、二人は変身術の教室へと入り席に着いた。
・
「……やっ、と一日が、終わったわね」
ダフネは最後のクラス、魔法史の教室を出た瞬間、脱力した。ゲッソリと眠そうな顔のダフネは半目になりつつ話を続けた。
「話通り、すっごく眠かったわ……」
「ええ、私たちよく生き残ったわよ」
スリザリン生のうちの大半がイビキを掻いてクラスを終えた。
ビンズ先生は教科書を子守唄のように読む教授だった。
その眠気を誘う声に二人も危うく夢の世界に連れて行かれそうになったが、Aとダフネは隣の席同士協力して寝ないように互いの手を抓り一時間耐えた。
おかげで片方の手は真っ赤に腫れていたが居眠りを回避したことは大きかった。
「お疲れだね。寝ないようそこまで努力するなんて偉いよ」
にっこり微笑むセオドールに二人は苦笑いを漏らした。
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つき(プロフ) - あさん» そのように認めてくださって感謝します。あんな形ではありましたが別サイトに私の小説を読んでくれている人がいると知れて嬉しかったです。今後このようなことがないよう気をつけていただければと思います。これからもご愛読いただけると嬉しいです (2月8日 18時) (
レス) id: 7cdc86589a (このIDを非表示/違反報告)
あ - 先程別サイトの方を消させていただきました。勝手な無断転載をしてしまったことを深く反省しています。本当に申し訳ありません。 (2月8日 18時) (レス) @page21 id: 60a5994a82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つき | 作成日時：2023年8月14日 9時
