魔法薬学教授と英雄の子 ページ27
スネイプの言葉に感銘を受けた生徒は少なかった。
皆、青ざめた顔で身を小さくさせているかスネイプを睨んでいるかに二分された。そもそもスネイプの顔を見れないと言った様子の生徒もいた。
「ただし、吾輩がこれまでに教えてきたウスノロ達より諸君がまだマシであればの話、だが……ね」
そこまで言い終えるとスネイプ教授の満足げな表情は曇っていく。
「……諸君の中には自信過剰な者がいるようだ」
Aは顔を顰めた。スネイプが向かった先には、黒髪をクシャクシャにした男の子──ハリー・ポッターがいたからだ。
「ポッター!」
スネイプは魔法界の英雄とも謳われるハリー・ポッターのことが授業の最中にいじめたくなるほど気に食わないようだった。
「アスフォルデの球根の粉末にニガヨモギを煎じたものを加えると何になるか？」
ホグワーツに入学したばかりの一年生に出すとは思えない悪質な質問にAは絶句してしまう。
ハリーは困惑したように眉を寄せ「わかりません……」と声を絞り出す。そんな中、ハーマイオニーが自信たっぷりに真っ直ぐ手を上げた。Aは博識な彼女の凄さに舌を巻いたが、この男の眼中にはハリーしかいないようだった。
「チッチッチッ。全く有名なだけではどうにもならんらしい……ポッター、もうひとつ聞こう！ ベゾアール石を見つけてこいと言われたら、どこで探すかね？」
俯くハリーを追い詰めるように次なる質問がなされた。これも一年生では到底難しいものだった。
「わ、わかりません……」
「吾輩の授業に受ける前に一回でも教科書を開いてみようとは思わなかった、そういうわけだな、ポッター、え？」
開いててもわからないわよ！！ Aは叫び出しそうになった。これでは授業というよりただのいじめだ。
この男はハリーを馬鹿にして楽しんでいる。Aの唇は怒りで震えた。スリザリンからの嗤い声がハリーを煽るように湧き上がる。
特に隣から聞こえAはドラコを咎めるように睨んだが彼はそれを見ると更に嗤った。
ゲラゲラと椅子から転げ落ちそうになるほどに腹をよじって嗤うドラコをAは我慢出来ず肘で小突いた。
「何するんだ、ヴィ」
「黙りなさい！ 何も面白くもないわ！」
「おい、なぁんにもわからないお子ちゃまポッターを庇うのか？」
その言葉に、プツンと切れる音がした。
「なんてことを言うの、マルフォイ！」
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つき(プロフ) - あさん» そのように認めてくださって感謝します。あんな形ではありましたが別サイトに私の小説を読んでくれている人がいると知れて嬉しかったです。今後このようなことがないよう気をつけていただければと思います。これからもご愛読いただけると嬉しいです (2月8日 18時) (
レス) id: 7cdc86589a (このIDを非表示/違反報告)
あ - 先程別サイトの方を消させていただきました。勝手な無断転載をしてしまったことを深く反省しています。本当に申し訳ありません。 (2月8日 18時) (レス) @page21 id: 60a5994a82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つき | 作成日時：2023年8月14日 9時
